デイケアで働く看護師はバイタルチェックや入浴だけでなく、レクリエーションなどさまざまな業務をこなす必要があります。メリットやデメリットはありますが、性格的に合う・合わないが大きく分かれるのがデイケアの看護師です。
今回はデイケアで働く看護師が退職した理由や、仕事が辛い時に乗り越えた対処法についてご紹介していきたいと思います。記事の後半では転職時のポイントについてもお話ししますので、少しでもデイケアを辞めたいと考えている方の参考になれば嬉しいです。

お悩みを抱えている方は
お気軽にご相談ください
デイケアで働く看護師が退職した理由BEST3
まずはデイケアで働く看護師が退職した理由についてお話します。デイケアで働く看護師が退職した理由は以下の通りです。
- 職場の人間関係が合わない
- 給与が安く待遇が見合わない
- レクリエーションの時間が苦痛
職場の人間関係が合わない
デイケアの看護師は病棟で働く看護師と違い、「介護士・理学療法士・ケアマネージャー」など多くの職種と連携して働きます。そのため、業務内容についての意見の相違が起こって人間関係のもつれが発生することもあります。
デイケアに限らず、介護の職場では人間関係のトラブルによる離職が多い傾向にあります。
病棟で働く看護師は日勤から夜勤の2交代制や3交代制で働くことがほとんどですが、デイケアは日勤のみなので勤務体系がほとんど固定されています。同じメンバーで働くことが多いことが人間関係のトラブルの原因になってしまうようです。
給与が安く待遇が見合わない
デイケアはリハビリに特化した介護施設として通いながらリハビリを行うので、寝たきりの入居者さんなどはいらっしゃいません。そのため夜勤がなく、夜勤のある看護師と比べると給与が高くないのが現実です。
日勤だけの給与が不満で転職する人も多いです。給与が不満だという方は、同じ職場で働いていても大きな収入アップは見込めないので転職活動がおすすめです。
レクリエーションの時間が苦痛
デイケアでは利用者さん同士の交流や楽しさを感じてもらうために、レクリエーションの時間が設けられています。レクリエーションの内容を考えたり、場の盛り上げなどをしなけれないのでそれが苦痛だという声も多いです。
実際にレクリエーション中に利用者さんからの心無い声が届くことも多く、レクを苦手だと感じている人も多いようです。
せっかく楽しませるために考えていても、冷たい言葉をかけられてしまうと悲しくなってしまいますよね。

デイケアの仕事に向いている人・向いていない人
デイケアの仕事にはどういった人は適しているのでしょうか。デイケアの仕事に向いている人・向いていない人の特徴についてお話していきます。
- 積極的に人と接するのが好き
- コミュニケーション能力が高い
- 協力して得る達成感を味わいたい
- 人の役に立ちたい
- 人前に立つのが苦手
- 潔癖症
- 効率を考えて仕事をしたい
- エンターテインメントの提供が苦手
デイケアに向いている人は人と接するのが好きで、職場の同僚だけでなく入居者さんと協力して達成感を味わいたいという方です。コミュニケーション能力も重要で、基本的に入居者さんには自分から積極的に話しかけなければいけないため、顔を覚える必要もあります。
デイケアの仕事内容として、人前に立つのが苦手という方はデイケアの仕事に向いているとは言えません。しかし、人前が苦手という性格は改善することもできます。あがり症や人前で話すことが苦手だという人の中で改善したいと考えている人は緊張を緩和するテクニックなどを参考にしてみてくださいね!
苦痛だということを続けているとストレスが溜まり、うつ病の原因になってしまうこともあります。苦手だからといって改善のために続けるのではなく、本当に苦手だと思う場合は業務から離れるという考えも大切です。

デイケアの看護師が仕事の辛い時の対処法
デイケアで働く看護師は、辛い時どのようにして乗り越えているのでしょうか。デイケアの看護師として働き続けている人が、仕事が辛いタイミングで仕事を乗り越えた方法をご紹介します。
辛い理由を明確にしてみる
あなたは仕事において“何が原因で辛いのか”を明確に知っていますか?辛い原因を明確にしてみるのは大切なことです。ノートやメモなどに今辛い原因を文字に書き起こしてみましょう。
文字に起こして頭の中でうまく整理することで、あなたが感じる辛いことについての解決策が思い浮かぶはずですよ。
人間関係が理由の場合は再構築を図る
人間関係が理由で仕事が辛いと感じている人も一定数いらっしゃると思います。大手転職サイト『リクナビNEXT』の転職理由と退職理由の本音ランキングBest10では、第3位までに人間関係にまつわる理由がランクインしています。
1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
転職理由と退職理由の本音ランキングBest10より
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
1位・3位だけでなく、2位の労働環境についても働く環境は労働者が作っているとも言えますので、人間関係が原因だと言えるでしょう。人間関係が原因の場合は人間関係の再構築ができるかを考えてみましょう。
職場の人間関係は、考え方1つで変わることもあります。相手の合わない・苦手な部分だけを見るのではなく、相手を大切にすることも重要です。
仕事内容が原因ならスキルアップを目指す
デイケアの入居者さんはリハビリ治療をメインに行っていますので、重症度や緊急度の低い方が多いです。そのため、看護師として医療行為をしたいという方にとっては少し物足りなく思う傾向にあります。
デイケアを辞めたい理由がレクが苦手や入浴後などの処置が嫌だなどの仕事内容が原因の場合、スキルアップを目指すと良いでしょう。「もっと医療行為をしたい」や「物足りない」と感じる方は転職してスキルアップを考えましょう。
体力面の問題ならリフレッシュ休暇を取る
デイケアの看護師は夜勤がないので、体力面では比較的楽だと言われていますが、施設によって人手不足などで体力的にキツいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そういった方は、上司に相談してリフレッシュ休暇を取ることも大切です。「そんな休みを貰える訳がない!」という場合でも有給は労働者の権利ですので交渉できますよ。
それでも解決できない場合は転職も視野に
上記のポイントを加味しても、解決できないという場合は、転職を考えても良いでしょう。
特に人間関係や休みが取れないなどの労働環境は、あなただけの問題ではありません。いくらあなたが行動を起こしたとしても改善が期待できないケースもあります。
まずは改善のために動くことは大切ですが、いつまでに変化がないと転職するどある程度の期間を決めることも大切です。

看護師の転職タイミングは「4,5年目」以降がおすすめ
看護師が転職する際には転職のタイミングが気になりますよね。看護師の転職タイミングは4,5年目以降がおすすめです。なぜ4,5年目以降がおすすめなのかを看護師の平均勤続年数をもとにしてお話します。日本医療労働組合連合会の調査によると、看護師の勤続年数は次のような結果となりました。
5年未満までの転職が37.9%、10年未満の転職が57.9%と10年未満で転職する人が6割に登っています。半数以上が10年未満で転職をしていますが、転職先での教育のしやすさや看護師としての方向性の固定などを加味すると、転職タイミングは4,5年目以降がおすすめです。
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | |
教育のしやすさ | ◎ | ○ | ○ | △ | △ |
即戦力 | × | × | △ | ○ | ◎ |
将来性(方向性) | × | △ | ○ | ○ | ◎ |
体力 | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
勤続年数が長くなると即戦力になりますが、職場によって教育方針が異なるので、前の職場でのやり方を強く出してしまったりすると人間関係のトラブルになる可能性も考えられます。
1年以内で辞めてしまうと、今後のキャリアアップが難しくなってしまうこともあります。どうしても1年以内に退職したい場合は次の職場に4月に転職し、新卒と一緒に研修を受けるのが良いでしょう。
転職は「自分の求めるポイント」を決めよう!
転職する際にはどういったことを重視して転職をすれば良いのでしょうか。転職時には「自分の求めるポイント」を定めることが大切です。
夜勤・日勤で働きたい
夜勤・日勤などの決まった時間で働きたいという場合は、求人の募集要項をしっかりチェックしておきましょう。
デイケアの仕事は夜勤がないので、そもそも夜勤勤務が嫌だという方は病院・病棟を選んで就職すると働きやすい環境が手に入ります。通勤ラッシュが嫌で日勤はしたくないという人は夜勤のみの求人を探すと良いでしょう。
医療行為の少ない現場で働きたい
デイケアはリハビリに特化した施設なので、緊急度の高い入居者さんはいません。そのため病棟などと比べると医療行為にあまり触れておらず、医療行為の少ない現場で働きたいという場合は美容クリニックや養護教諭・保育園内の看護師などの勤務がおすすめです。
クリニックや保育園・訪問看護に転職をして、充実した生活を送っていらっしゃる人も多いようです。養護教諭は大学や短大の看護学部を卒業しており、保健師の免許を取得すると取得できます。
看護師としてのやりがいを求めたい
看護師としてのやりがいを求めたいという方は医療行為が多い現場への転職がおすすめです。
透析クリニックや一般内科系クリニックなどで働くと患者さんへの処置や観察などで看護師としてのやりがいを感じやすいです。人によって仕事に対するやりがいを感じるポイントはさまざまなので、あなたのやりがいを探して転職先を検討しましょう!
辞める勇気が出ないときは「退職代行」
自分でやめる勇気がないという方は、退職の意思を変わりに伝えてくれる退職代行サービスに依頼するのもオススメです。「退職したいと言い出せない」や「退職したいと伝えても辞めさせてくれない」という方がサービスを利用されます。
退職代行サービスは3万程度の料金を支払うことで、トータルサポートしてくれるので簡単に仕事を辞められたという声も多く寄せられています。実際に退職代行サービスを利用した人の声は、辞める前の荷物については空にしておく、もしくは必要なものは持ち帰ることを推奨しています。
最近では仕事を辞めたいということを言い出せない人も増えてますので、自分で辞められないならこういったサービスに依頼するのも賢い方法です。
自分に合った働きやすい職場を探そう!
デイケアの看護師が転職する際の退職理由と仕事が辛い時の対処方法についてご紹介してきました。
転職時には転職したい理由を明確にし、その原因が改善できるものなのかを考えましょう。不満が改善できる場合は今の職場で継続して勤務できますし、改善の見込みがなければ転職しやすくなります。
さらに働く上で自分に合った働きやすい職場を探し、ストレスの感じにくい健康的な生活を送りましょう。