労働調査概要
1.仕事を辞めたいもしくは転職の意向がある会社員は35.8%
2.辞めたい理由の第1位は同率で「職場の人間関係」「評価・待遇に不満」が38.6%
3.辞めたい理由の5人に1人はコロナによる退職動機に20.1%
【調査概要】
■調査方法:インターネットでのアンケート調査
■調査期間:2021年3月8日~3月10日
■調査対象:全国の20歳以上で会社員の男女
■有効回答数:528名
仕事を辞めたい、転職を検討されている人は全体の3割強!

仕事を辞めたいと考えていますか?もしくは転職を検討していますか?という質問に対して、
「退職・転職の意向あり」が35.8%
「退職・転職の意向なし」が64.2%
上記のアンケート調査結果となりました。
2021年1月分の労働力調査(総務省統計局発表)による「役員を除く雇用者」の実数は5,610万人。アンケート結果をそのまま当てはめると、意向ありは2,008万人、意向なしは3,601万人となる。2019年の転職者数は351万人(総務省統計局発表)であり、退職・転職予備群は、転職者数の約5.7倍いることが想定されます。
2.退職動機1位は、「職場の人間関係」と「評価・待遇にの不満」

仕事を辞めたいと考えている理由を教えてくださいという質問に対して、
退職動機の1位は38.6%で2つ
「上司、同僚など職場の人間関係、コミュニケーション」
「評価、待遇に不満」
3位「仕事の進め方が非合理、慣習的」で26.5%、4位が「他にやりたいことがある」で24.3%という結果になりました。
退職動機の上位3位は社内に起因するネガティブな要因であり、従業者側からすればどのように解決への働きかけを企業側に行うべきなのか意思表示が難しい問題です。企業側からすれば理由上位3位における改善取り組みは日々経営・人事・総務で行っている内容と考えられ、どのように従業者側に取り組み状況の情報提供を行うか、理解を得ていくかの社内コミュニケーションの重要度がより高まっている結果を示していると言えるでしょう。
仕事を辞めたくなったきっかけ
職場の人間関係
- 上司は効率よくひとつずつ仕事をやれと言うだけで助けてくれない
- 休日の上司から連絡が頻繫にくる
- 担当する業務が終わっても時間外のヘルプを強要させられる
- 自分にとってやりがいを感じる仕事が会社や上司に重要視されていない
評価や給与待遇に不満
- 10年勤めているのに給与が上がらない
- 最近入社した人とほぼ変わらない給与体系なのに、長くいるだけで責任者扱いで負担が大きい
- 社内営業がうまい人が昇進した分のフォローをさせられる
- 人事スペシャリストとして入社したものの、総務業務しかやらせてもらえない
コロナ関連での不満
- 会社の人たちのコロナに対する危機意識が低すぎる
- コロナの影響で業績不振で給与を大幅削減させられた
- コロナで売上は上がっているのに、給付金相当額の固定費を削減された
- リモートワーク導入後、上司からの過干渉がつらい
辞めたいと答えた5人に1人はコロナによる環境変化
今回のアンケートで仕事を辞めたいと答えた方の20.1%%が企業のコロナへの対策に起因する結果となりました。
特に通勤時での対策等も取ってもらえない、リモートワークで常に上司から監視されている、売上減に伴う対応への不満など、企業側と働く人の危機意識の乖離や土壇場での経営判断に不満を抱えている方が多いようです。
雇用している会社側からしても判断や対応が難しいところではありますが、そういった相談を労働組合へ頂くことも多いです。今までに誰も体験したことがない状況だからこそ、企業側としての臨機応変な対応が求められると言えるでしょう。
仕事の退職動機に関する労働調査まとめ

このコロナ禍で仲の良い人と中々集まりづらい、外に出かけることも出来ない状況で誰しもが少なからずストレスを抱えています。結果として仕事を辞めたい、転職を検討している方が35.8%という調査結果となりました。
アンケート調査結果から社内の人間関係や仕事の進行上など社内でのネガティブ要因も多く、今回のコロナ禍で働く側としても、社内体制や労働環境を改善するひとつのきっかけとして、上司や会社への働きかけも大事と言えるでしょう。また企業側としても、リモートワークだからこそ社員の声を拾い上げる仕組みや努力をしていくことが必須と言えるでしょう。