長期労働や賃金の未払い、過激なノルマを与えるなど、従業員を精神的に追い詰めるブラック企業。心身ともに疲弊するなか、理不尽な環境下で働き続けることに疑問を感じている人も多いのではないでしょうか。
ブラック企業を円満に辞めるには、事前準備をしっかり行うことでスムーズに退職手続きができることも多いです。この記事では、ブラック企業を円満退社する方法を紹介します。

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ブラック企業の辞め方
今退職を検討中の人に向けてブラック企業の辞め方を紹介します。一連の流れを把握して実際に辞めるときの参考にしましょう。
退職理由を明確に伝えられるようにする
会社を辞めるとき、ほとんどのケースで退職理由を聞かれます。そんなときに「ブラック企業だから」と素直に答えてしまうと、角が立ち円満に退職できない可能性が高いです。
そのため、上司に「それなら仕方ない」と思わせるような退職理由を考えておきましょう。例えば、「仕事がきつい」「今の仕事が合わない」などがあります。また具体的に聞かれることも多いので、考えられる質問の回答を用意おくことが望ましいです。
退職意思を直属の上司に報告する
退職を決断した時は、その旨を直属の上司に伝えましょう。この際に退職理由を聞かれるので、事前に用意しておいた答えを伝えるのです。ただ退職を伝える相手がブラック上司だった場合は、ネチネチ文句を言われることもあります。
このタイミングで相手の口車に乗せられて退職を先延ばしにすると、いつまで経っても辞められなくなります。すぐにでも辞めたいなら、強い気持ちで退職意思を上司に伝えることが大切です。
退職が決まったら退職日を交渉する
強い気持ちで退職意思を伝え、上司が納得したら退職日の交渉に入ります。退職後すぐに働く場合は、同時に転職活動をしている人も多いでしょう。転職先の入社日が決まれば、退職日も決めやすくなるので事前に相談しておくことをおすすめします。
退職日は会社の都合も考慮する必要がありますが、最悪の場合、転職先に迷惑をかける場合もあります。転職先で働きづらくなる可能性もあるため、退職日は慎重に決めましょう。
辞表を作成して会社に提出する
退職する日が決まったら、会社に辞表を提出しましょう。辞表を出すことでスムーズに辞められることも多いので、自分を守るためにも作成して提出することが望ましいです。
退職理由については、「一身上の都合」と記載して問題ありません。また辞表を提出するタイミングは、上司に退職意思を伝えるときでも問題ないので状況を見ながら提出しましょう。
有給休暇の残日数を確認する
退職日も決まり辞表を提出したら、あとは退職日までどう過ごすかを考える必要があります。退職日までの予定を立てるためにも自分の有給残数を確認しておくことがおすすめです。
ブラック企業を円満退職したいときのコツ
ブラック企業を退職する際、間違った対応をすると円満に辞められないこともあります。そこで、ブラック企業を円満退職するコツを紹介します。
退職を考えていることを誰にも話さない
退職することや転職活動を行なっていることを職場の人に相談するのはおすすめしません。なぜなら、どれだけ信頼できる相手でもどこから情報が漏れるか分からないからです。
退職する人を「裏切り者」と考える人もいます。情報が漏れると余計な仕事を振られたり噂話を流されたりなど、働きづらくなる可能性も高いです。上司に退職意思を伝えるまで職場の人には言わないことが望ましいでしょう。
退職を報告した後に突然出社拒否しない
上司に退職意思を伝え退職日が決まった後、何もかもが嫌になり出社しない人もいます。ブラック企業から早く離れたい気持ちは分かりますが、突然出社拒否するのはおすすめしません。
なぜなら、出社拒否が雇用契約違反と見なされトラブルに発展する可能性があるからです。また転職先に悪い噂が広まり、働きづらくなることも考えられます。極力、最終の出勤日まで頑張って働くようにしましょう。
退職後すぐ働きたい場合は転職活動を始める
退職した後にすぐに働きたい場合は、退職手続きと同時に転職活動も始めましょう。有給が残っているなら、その休みを利用して転職活動をするのもおすすめです。
転職先の入社日が決まれば、現会社の退職日も決めやすくなります。また転職先を早く決められれば気持ちに余裕も生まれます。計画的に転職活動を進めましょう。
ブラック企業を辞めるときの注意点
次は、ブラック企業を辞めるときの注意点を見ていきましょう。ブラック企業の場合は、普通に退職できないこともあるので要注意です。
有給休暇を拒否される場合がある
ブラック企業の場合、たとえ有給の残日が残っていても拒否されることがあります。会社から有給を拒否されたとき、何も言い返せずに働き続ける人も少なくありません。
ただし、有給休暇は労働者に認められた権利なので、通常は拒否することはできないのです。労働者が有給を取りたいことを申し出れば、休みを取れるのが有給休暇です。権利をしっかり主張して、その場の状況に流されないように注意しましょう。
参考文献:厚生労働省HP
退職を拒否される可能性がある
ブラック企業の中には、退職自体を拒否するケースもあります。ただし、法律上は労働者が退職を申し出たとき会社に拒否する権利はありません。
退職を強く主張しても聞き入れてくれない場合は、退職届を配達証明付きの内容証明郵便で送付しましょう。内容証明で郵送することで、会社側は「届いていない」と言い逃れできません。
参考文献:労働基準法第五条
損害賠償を請求するケースがある
退職を申し出たとき、損害賠償を請求して脅してくるブラック企業もあります。雇用契約に過度な違反が見られた場合は、損害賠償を請求される可能性もあります。
ただ、通常の退職において損害賠償が有効になるケースはほとんどありません。ブラック上司の言葉を真に受けて退職を諦めないようにしましょう。
離職票を出してくれないケースがある
ブラック企業の中には、退職表を交付してくれない場合があります。そもそも退職表とは、雇用保険や失業給付を受給するときに必要な書類で、通常は退職後に会社から交付されます。
離職票が手元に届くまでには、通常10日~2週間ほどかかるのが一般的です。その日数を過ぎても離職票が届かない場合は会社に確認しましょう。それでも離職票を交付してくれないときは、ハローワークや労働基準監督署に相談するのが望ましいです。
ブラック企業の引き留めを受けたときの対策
ブラック企業は、人がすぐに退職することも多いので人手不足に悩む会社も多いです。その結果、退職意思を伝えたときに上司から引き止められることもあります。ここからは、上司から引き止めを受けたときの対策を紹介します。
内容証明郵便で退職届を提出する
通常は、退職届を提出して退職意思を上司に伝えます。ただブラック企業は、退職届を受け取ってくれず会社を辞められない場合もあります。
そんなときは、退職届を会社に郵送するのが望ましいです。そして郵送するときは、内容証明付きで退職届を送りましょう。内容証明で退職届を送れば、会社も言い逃れできなくなるので受け取らざるを得なくなります。
給与に関する脅しは労働基準監督署へ相談する
給料や残業が未払いにもかかわらず、支払いを拒否するブラック企業もあります。実際に働いているのであれば、申し出は正当なものになります。ただし、直接給与に関する講義をしても受け入れてくれない場合も多いです。
そんなときは、労働基準監督署へ相談しましょう。労働基準監督署は簡単に言うと企業を監督する機関です。労働者が泣き寝入りをせずに申告できる場所なので、何か問題を抱えている場合は労働基準監督署へ相談しましょう。
ブラック企業とのやり取りを避けるなら退職代行
毎日会社に行きたくないほど辛いなか、上司に退職を言い出せない人も多くいます。そんな人は、退職代行サービスの依頼も検討しましょう。
退職代行サービスを利用すれば、上司に会わずに退職できます。ある程度費用はかかりますが、スムーズに退職したい場合や自分から退職を言い出せない人にはおすすめのサービスです。
関連記事:退職代行とは?
ブラック企業の見分け方
転職を考えている人は、もう二度とブラック企業には就職したくないと考えているでしょう。そこで、ブラック企業の見分け方を紹介します。
常に求人を出している会社は危ない
いつも求人を掲載する企業は要注意です。離職率が異様に高く人材が不足しているだけの可能性があります。もし仕事内容に興味があるなら、まずは会社のことを調べてみましょう。求人だけでは把握できない真実が見えてくるでしょう。
労働条件の説明が曖昧で分かりにくい
ブラック企業の場合、労働条件を曖昧に説明する傾向があります。仕事内容や業務時間など明確に説明しないのは、労働環境が悪いことが求人者にバレてしまうからです。
そのため、説明を求めてもはぐらかされてしまうこともあります。ブラック企業の可能性が高いので十分に検討する費用があるでしょう。
面接後すぐに内定の連絡が入る
面接した後にすぐに内定の連絡が来たとき、嬉しいと感じる人も多いでしょう。しかし、連絡が来たあとすぐに内定を受けるのはまだ早いです。
なぜなら、ブラック企業は離職率が高く常に人手不足に陥っているため、すぐに内定を出して人材を確保しようとするからです。その場の勢いに流されず、じっくり検討することをおすすめします。
給与が不自然に安すぎたり高すぎたりする
年収の高さを第一条件に転職する人もいますが、給与があまりに高い場合は要注意です。給与が高い裏には過度なノルマ設定や見なし残業が含まれている場合もあります。
また給与が著しく低い場合も成果報酬になっていることも多いです。同業種や職種の給与相場がどのくらいなのか調べることが望ましいでしょう。
口コミや評価が他会社に比べて低い
ブラック企業かどうか確認するとき、口コミや評価も参考になります。あくまで個人の意見なので、すべての意見を信じる必要はありません。
ただし、あまりに口コミや評価が低い場合は注意しましょう。この場合はブラック企業の可能性が高いため、入社するかどうかは慎重に判断することが望ましいです。
志望企業の退職者に体験談を聞く
もし知り合いに志望企業に入社した経歴を持つ人がいるなら、職場の雰囲気や労働環境について聞いてみましょう。実際に働いた経験を持つ人であれば、体験談も信ぴょう性が高いです。
ただし、部署によって職場の雰囲気や労働環境が異なる場合もあります。その点も考慮してブラック企業かどうか判断するのが望ましいでしょう。
自分で退職を伝えられないなら退職代行を活用しよう!
ブラック企業で働き続けると心身ともに疲弊するため、すぐに辞めたいと考える人も多いです。ただブラック上司の場合は、退職を受け入れてもらえなかったり引き止められたりなど、様々な問題が起こることもあります。そんなときは、本人に代わって退職手続きを進めてくれる退職代行サービスをの利用を検討しましょう!