土日出勤や理不尽なクレーム対応など、接客業は辛いことも多いです。そのためストレスを感じ、今すぐに辞めたいと思っている人も少なくありません。
とはいえ、接客業を辞めて、どんな仕事に就いたらいいのか、迷う人もいるでしょう。
当記事では接客業を辞めた方がいいケースや、おすすめの転職先、また辞めてよかった体験談を解説していきます。接客業を辞めたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。最後までお読みいただければ、接客業を辞めたいという悩みへのヒントが見つかるはずです。

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接客業が辛いから辞めたいと感じる理由
アルバイトで接客業を選ぶ人も多く、一見「誰にでもできる仕事」と思われがちな接客業ですが、実際はとても大変な仕事です。あまりのストレスに「辞めたい」と思ってしまう人も少なくありません。
接客業を辞めたいほど辛いと感じる、主な理由として下記が挙げられます。
- 休日が不規則だから
- 接客のストレス
- ノルマが厳しい
- 給料が見合っていない
- 異動がある
- 忙しすぎる
- 人間関係が面倒
- 将来性がない
それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
休日が不規則だから
最初に挙げられるのが「休日が不規則だから」という理由です。接客業は土日出勤のところが多いので、休日はシフト制を採用していることがほとんどですよね。
決まった休みがないので、どうしても生活は不規則になります。また、周りが土日休みの友達ばかりだと、休みが合わないストレスもあります。
さらに、土日だけでなく、夏季休暇や年末年始など、長期休暇中の出勤も多く、自分の時間がないと感じがちです。休日が不規則で、友達とも遊びに行けないと、ストレスは溜まる一方ですよね。
接客のストレス
接客のストレスから辞めたいと感じる人もいます。「お客様は神様」という言葉があるように、日本では顧客の立場が上になりがちです。
どんなお客様でも低姿勢でいなければならないというのは、本当にストレスになりますよね。たとえ、理不尽なクレームや自分が悪くない場面でも、文句を言われれば頭を下げなければいけない場面もあるかもしれません。
接客のストレスが重なると、精神的に疲れたり、ひどい場合は人間不信に陥ってしまう人もいます。
ノルマが厳しい
業種によっては厳しいノルマが設けられており、それがストレスになることもあります。ノルマを達成できないとモチベーションの低下に繋がるからです。
毎月のノルマ達成のために休みを返上して出勤したり、中には自腹を切って購入する人もいます。それでも、達成できなければ、上司から怒られることもあるのです。
店の売り上げを上げるために、ある程度のノルマは必要ですが、厳しすぎるノルマはかえってモチベーションを下げてしまいます。
給料が見合っていない
接客業の給料は比較的安いので、仕事内容と見合っていないと感じる人もいます。接客業は休みが不定期で、拘束時間も長いですが、昇給の機会はあまりありません。
実際、定期昇給やボーナスの支給がない会社もあります。ノルマがない仕事の場合は、企業側としても特に評価がしづらく、昇給も難しくなるのです。
重労働に見合った給料がもらえれば頑張れますが、大変なわりに給料が低ければモチベーションが下がってしまいますよね。
異動がある
職場によっては、異動が多いところもあり、それがストレスになるケースも少なくありません。
同じ系列店とはいえ、店舗を異動すれば、また人間関係や職場環境に一から慣れなければならないからです。
人手が少ないからといって、頻繁に別の店舗に異動させられると「自分は都合の良い存在なのでは?」と感じてしまいます。
せっかく慣れてきたのに、また別の店舗に異動となると、生活リズムも崩れますし、いっそのこと転職しようかと考えるのも無理はありません。
忙しすぎる
仕事が忙しすぎると、疲れて辞めたいと思ってしまいます。接客業は辞める人が多く、慢性的に人手不足な傾向にあります。人手不足になれば、当然一人当たりの仕事量が増え、忙しくなりますよね。
時間帯や曜日、時期などで忙しさが異なるので、忙しい時期はどうしても人手が足りなくなってしまうこともあるのです。店によっては、コスト削減のために人員を減らしているところもあります。忙しすぎると、体に不調が表れてしまうので、転職を考えるのも当然です。
人間関係が面倒
接客業に限らず、人間関係は職場トラブルの大きな要因の一つになります。理不尽な上司や足を引っ張る同僚、また冷たくあたる先輩などは働くうえで大きなストレスです。
加えて、接客業の場合は職場の人間関係だけでなく、お客様との人間関係でトラブルになることもあります。お客様から一方的な好意を寄せられ、エスカレートすれば、恐怖すら感じますよね。人間関係でトラブルを抱えている人は、転職して別の職場で働きたいと思ってしまっても無理はありません。
将来性がない
接客業に将来性がないと感じ、早めに転職を考える人もいます。接客業の多くは立ち仕事が多く、若い頃は問題なくても、年齢を重ねれば体力的に厳しくなります。さらに、最近ではAIやロボットによる自動化も進んでおり、接客の仕事自体の将来性も低くなっているのが現実です。
店によっては既に人員を削減し、自動化の機械を導入しているところもあります。
たとえば以下の4点が挙げられます。
- スーパーのセルフレジ
- 受付ロボットやタッチパネルでの受付
- ホテルのフロントでの受付業務
- タブレットによるオーダーシステム
便利な世の中になっていますが、接客業を生業としている人にはどんどん働く場が減っているのです。接客業に将来性がないと感じ、早めに転職を考えるのも当然です。
接客業が辛い時の対処法
接客業が辛いと、すぐにでも辞めたくなりますよね。とはいえ、入社したばかりだったり、次の仕事が見つかっていないと、なかなか辞めづらいと感じるものです。
すぐに辞められない場合は、まず下記の4つの対処法を試してみてください。
- 仕事と割り切る
- 誰かに相談する
- ストレス発散する
- 転職を考える
仕事と割り切る
まず、大切なのは「仕事と割り切る」ことです。たとえ、人間関係がうまくいかなくても「所詮は仕事上での相手」と割り切りましょう。
相手のことを好きになる必要はありません。適度な距離を保ち、仕事の関係と割り切ることで、トラブルに巻き込まれにくくなります。
また、お客様との対応についても同じことが言えます。どんなに理不尽なクレームを受けても「仕事だから」と割り切ってみましょう。
すべての言葉を本気で受け止めず、ある程度は受け流すことで精神的なダメージが軽減されます。真面目な人ほど真摯に受け止めがちですが、仕事なんだからと割り切ると楽になります。仕事と割り切り、プライベートな時間まで悩まないようにしましょう。
誰かに相談する
悩みがあれば、一人で抱え込むのではなく、誰かに相談するようにしましょう。誰かに相談することで、自分では思いつかなかった予想外の解決策が見つかる可能性があるからです。
特におすすめなのは、同じ職場で働く上司や同僚です。今は器用にこなしているように見える同僚や上司でも、過去にはあなたと同じ悩みを抱えていたかもしれません。
もし、相談相手も同じ悩みを抱えていれば、話すことでお互いにストレス解消にも繋がります。あなたが職場の人に相談しにくいのであれば、職場以外の友人に話してみるのもいいですね。
違う職場でも、同じような悩みを抱えている可能性はあります。誰かに相談して、一人で悩まないようにしましょう。
ストレス発散する
辛い時は自分の殻に閉じこもるのではなく、積極的にストレス発散することも重要です。仕事のストレスを抱えたままにしてしまうと、体に不調が出てしまうからですい。
気持ちをリフレッシュすることで「明日からも頑張ろう!」という気持ちになれる可能性もあります。たとえば、趣味に打ち込んだり、帰りに美味しい物を食べたりして、ストレスを発散させましょう。仕事が忙しいのであれば、思い切って休みを取り、ストレス発散することも大切です。
転職を考える
接客業が辛い時には、転職を考えるのも一つの方法です。接客業以外の仕事に就くことで、ストレスが軽減される可能性もあります。
自分がストレスに感じている部分を解消できるような仕事を探してみましょう。人と接するのが辛いのであれば、できるだけ人と関わらない仕事がおすすめです。
また、クレーム対応が辛いのであれば、クレームの少ない仕事を探してみるのも一つの手です。転職することで、ストレスから解放されるのであれば、積極的に次の仕事を探してみましょう。
接客業が辛い…辞めた方がいいケースは?
「辛い」という理由だけで本当に辞めていいのか、迷う方も多いですよね。確かに辞めたいと思っている人の中には、単なる甘えから転職を考える人もいます。もし以下のような状況であれば、退職も検討してみましょう。
- 体に不調が出ている
- 性格的に向いていない
- 人間関係のトラブル
- 正当な評価が受けられない
- 労働環境に問題がある
体に不調が出ている
まず、挙げられるのは「体に不調が出ている」かどうかです。体に不調が出ている場合は、すぐに今の仕事を辞めることをおすすめします。
体の不調は、心のSOSでもあり、このまま続けているとストレスから病気になってしまう可能性もあるからです。
- 不眠
- 食欲不振
- 気分が晴れない
- 吐き気
- 緊張による過剰な発汗
上記のような症状が出ていたら、注意が必要です。うつ病や精神疾患を患えば、転職も難しくなる可能性があるので、早めに転職を考えましょう。
性格的に向いていない
接客業が性格的に向いていないと感じるのであれば、転職を考えてもいいかもしれません。接客業に限らず、仕事には合う合わないがあるからです。
合わないのに続けていれば、仕事もうまくいかない上に、自分自身のストレスにもなります。接客業に向いていない人の例としては、下記が挙げられます。
- 気が短い
- ストレスに弱い
- 気が利かない
- 口下手
どうしても向いていないと感じるのであれば、自分に向いている仕事を探すのも一つの対処法です。
人間関係のトラブル
仮に、人間トラブルに巻き込まれているのであれば、転職を考えた方がいいかもしれません。自分が相手に合わせようと思っても、できることには限度があります。
自分は変われても、相手は変えられないからです。いじめやパワハラを我慢し続けると、精神的なダメージは大きくなります。
また、お客様とのトラブルも、事が大きくなった時に店側が対応してくれるとは限りません。精神的なダメージが大きくなり、いずれは人間不信に発展してしまうこともあります。人間関係のトラブルは、我慢せずに転職を考えましょう。
正当な評価が受けられない
正当な評価が受けられていないと感じているのであれば、転職を考えるのもおすすめです。評価されないと、働くためのモチベーションも下がり、将来的にも安定しません。
先述したように、特に接客業の場合は、評価されにくい傾向があります。定期昇給が難しくても、せめて頑張りに対して上司から誉め言葉があれば、モチベーションも上がりますよね。
しかし、どれだけ頑張っても何の評価もなければ、やる気も起きません。スタッフに対して何かしらの評価をしないようなところは、将来性がないと判断してしまっても無理はありません。あなたの能力に対し、正当な評価をしてくれる転職先を探すことをおすすめします。
労働環境に問題がある
労働環境に問題がある場合は、すぐに転職を考えた方がいいと思われます。このまま勤めていても、体を壊してしまう可能性が高いからです。接客業の中には、ブラック企業も多くあります。
中には「営業時間=勤務時間」という考えで、開店準備や閉店後の片付けの時間は給料が発生しないというところもあります。また、深夜営業や24時間営業、年中無休の会社も多いので、長時間労働になりがちです。労働環境に問題があるところは、早めに退職することをおすすめします。
接客業を辞めてよかった体験談
実際に接客業を辞めた人が「辞めてよかった」と感じているのか、実際の体験談も気になるところです。
ネット上では以下のような意見があります。
- 休みに友達と遊べるようになった
- 子供の行事に参加できるようになった
- 給料が上がったので辞めてよかった
それぞれの体験談を具体的に解説していきます。
休みに友達と遊べるようになった
以前、夜中まで営業している飲食関係のお店で働いていました。夜勤、日勤、早出、遅出と不規則なシフトに加え、残業は当たり前。休みの日でも、アルバイトの子が急に休めば社員に出勤の要請がかかりました。
もともと人と接するのは好きだったので、最初は楽しく働いていましたが、だんだんと体調を崩しがちに。また、結婚を考える年になっても、デートをする時間すらまともに取れませんでした。そこで、思い切って転職したところ、今までの体調が嘘のようによくなったのです。
何よりも嬉しかったのは、休みに友達と遊べるようになったこと。長期休みに旅行に行けた時は、嬉しくて涙が出そうでした。
子供の行事に参加できるようになった
有名ホテルのホテルマンとして10年働いていました。人気ホテルで、週末は予約でいっぱいだったので、土日出勤は当たり前。
長期休暇も世間と同じようには取得できません。でも、平日の空いている時に遊びに行けたりと、若いうちは特に不便も感じていませんでした。
ただ、子供ができてからは状況が一変しました。幼稚園や小学校のイベントの時期は、どこも大抵同じです。
他の人も休みを取りたがるので、正社員が休みを取るのは至難の業でした。そこで、土日休みの企業へと転職を決めたのです。
転職してから最初のうちは給料も下がりましたが、2年もするうちに前の職場よりも高収入を得られるようになりました。子供との時間も多く持てるようになり、辞めてよかったと心から思っています。
給料が上がった
美容関係の接客業で働いていましたが、仕事内容や勤務時間に比べて収入が少ないと感じていました。入社して8年、大学の同級生はどんどん出世して収入も上がっていきます。
一方、僕は入社当時とほとんど変わらない給料で働いていました。このままでは将来が不安だと感じ、営業の仕事へ転職。入社してすぐ給料がぐんと上がったわけではありませんが、毎年昇給しますし、ボーナスも支給されます。
以前の仕事よりも、はるかに収入面では安定しました。たまに「接客したいな」と思う時もありますが、将来のことを考えると、辞めてよかったと思っています。
接客業を辞めた人におすすめの転職先
接客業を辞めても、どんな仕事に就いたらいいか分からない…と思う方もいますよね。特に、これといった資格がない場合は、転職先に迷う方も少なくありません。でも、実は接客業で培ったノウハウは、様々な仕事に生かすことができます。
接客業を経験した方に、おすすめの転職先は下記の通りです。
- 営業職
- 事務職
- 製造業
それぞれの転職先のおすすめ理由を詳しく見ていきましょう。
営業職
最初のおすすめは「営業職」です。まったく違った仕事に見えますが、営業職は接客業と似ている部分が多い仕事です。
営業職は相手あっての仕事なので、接客で学んだことを活かせます。特に、接客業で培ったコミュニケーション力は、営業でも大きく役立ちます。
営業は比較的求人も多く、未経験者でも採用されやすいというメリットもあります。接客業は辛いけれど、人とのコミュニケーションを取ることは好きだという人におすすめです。
事務職
「事務職」に転職する人も多いようです。確かに、接客業で人と接するのに疲れた人にとって、事務職は憧れの職種です。接客業ほど、お客様と接する機会も多くはないので、ストレスも軽減されます。
ただし、パソコンを使う仕事が多いので、パソコンが苦手な人は注意しましょう。もし、事務職に転職したいのであれば、退職前に資格を取っておくのもおすすめです。事務職とはいえ、職場の人と接する機会もあるので、接客業で培った対人スキルも役立ちます。
製造業
「製造業」も転職先としておすすめです。お客様の都合で勤務時間が変動することもなく、安定した勤務時間で働けるからです。お客様と接するストレスから解放され、ノルマもないので安定した収入を得ることも可能です。
また、後輩育成の立場になれば、接客業で培ったマネジメント能力も役立ちます。接客業でお客様と接するストレスを感じている人は、製造業への転職も視野に入れてみましょう。
接客業が辛い時は転職も検討しよう!まとめ
世の中には様々な仕事がありますが、接客業は人と接する機会が多いので、特にストレスが溜まりやすい仕事です。向いていない人にとっては、より大きなストレスになります。
クレームや上司からの小言をうまく受け流す技術を身に着け、ストレスを溜めないように割り切って仕事をしましょう。どうしても接客業が辛いと感じたら、転職するのもおすすめです。
自分に合った仕事を探して、ストレスなく働きましょう。