理不尽なお客様対応や長い拘束時間など、接客業はストレスの高い仕事のひとつです。入社したものの、思った以上に辛くて辞めたいと感じる人も少なくありません。
とはいえ、接客業からどんな仕事に転職したらいいのか、また退職時の理由付けなど、迷っている方も多いのではないでしょうか?当記事では、接客業が辛いから辞めたい場合の対処法や成功体験談、また転職する際の注意点を徹底解説していきます。
接客業を辞めたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

お悩みを抱えている方は
お気軽にご相談ください
接客業を辞めたいと感じる9つの理由
接客業を「辞めたい」と思う人は大勢いますが、理由はさまざまです。接客の仕事自体が辛い人もいれば、職場内のトラブル、また労働環境に不満がある人もいます。
接客業をしている人が「辞めたい」と感じる、9つのおもな理由を見ていきましょう。
- 休みが不定期
- 拘束時間が長い
- 理不尽なクレーム対応
- 忙しすぎる
- ノルマが厳しい
- 体力的に厳しい
- 給料が割に合わない
- 人間関係が面倒
- 異動が多い
それぞれの理由を具体的に解説していきます。
休みが不定期
最初に挙げられる理由が「休みが不定期」だということです。
休みが不定期だと、友達と遊ぶ時間もなかなか取れません。
接客業は土日や祝日、大型連休は非常に忙しい職場です。
なかには、連休すら思うように取らせてもらえないという人も少なくありません。
土日に行われるイベントに行けなかったり、友達と旅行の予定が合わないことがほとんどです。
休みが不定期だと、リフレッシュする時間も取れず、ストレスは溜まっていく一方になります。
拘束時間が長い
拘束時間が長いことも「辞めたい」と感じる理由のひとつになります。
営業時間だけでなく、前後の準備や後片付けを入れると、どうしても拘束時間が長くなるものです。
ホテルやコンビニなど、24時間体制の接客業だと、より拘束時間は長くなります。
繁忙期は特に、拘束時間が長くなる店舗も少なくありません。
18時に終われば、その後どこかに寄ったり、友達と夕食を取ることもできますが、接客業の場合はそれができないことがほとんどです。
拘束時間が長いと、ストレス発散できない分、イライラしやすくなるなど、心身への影響も大きいのです。
理不尽なクレーム対応
お客さまからの理不尽なクレーム対応が重なると、辞めたいと感じてしまう人もいます。
通常のクレームでさえストレスになるところを、理不尽なクレームを受ければ当然精神的なダメージは大きくなります。
なかには、「声が気に入らない」など自分ではどうしようもないことに文句を言われたり、名指しで苦情を言われることもあります。
お客さまの気分によって、罵声を浴びせられることも少なくありません。
お客さまなので言い返すこともできませんし、自分が悪くなくても頭を下げなければならないのです。
理不尽なクレームが続くことで、人間不信になってしまう人もいます。
忙しすぎる
忙しすぎるのも、辞めたい理由のひとつになります。
接客業は慢性的に人手不足な職種です。
忙しすぎることで、入ってもすぐに辞めてしまい、また人手不足で忙しくなるという悪循環なのです。
人手が足りなければ、必然的に一人当たりの仕事量が増えます。
仕事量が多いことで、疲労も重なり、辞めたい気持ちもどんどん高まっていきます。
しかし、「自分が辞めるとさらに人が足りなくなる」という責任感からなかなか辞められず、ますますストレスを感じてしまうのです。
忙しすぎると、体調を壊すこともあるので注意しましょう。
ノルマが厳しい
厳しいノルマはストレスになり、辞めたいと感じてしまいます。
なぜなら、ノルマに追われ、仕事を楽しいと感じられなくなってしまうからです。
ノルマを達成できないと怒鳴られたり、なかには自腹で購入させられるケースもあるようです。
いくら働いても、自腹で購入していては出費もかさみます。
ある程度のノルマは必要かもしれませんが、厳しすぎるノルマはストレスになってしまうのです。
体力的に厳しい
体力的に厳しいと感じて、退職を考える人もいます。
接客業は立ちっぱなしの仕事も少なくありません。
若い頃は問題なくても、年齢を重ねると、辛いと感じがちです。
一日中、立ちっぱなしで足がむくむことは日常茶飯事です。
膝や腰に痛みが生じる人もいます。
体力的に厳しいと感じると、辞めたいと思うのも無理はありません。
給料が割に合わない
接客業は「給料が割に合わない」と感じる人もいます。
人材の替えが効きやすい仕事でもあり、給料が低く設定されていることも多いからです。
アパレルなどは華やかなイメージがありますが、実際は給料が安いところも多いのが現実です。
定期昇給がなく、入社当時から給料が上がっていないという人もいます。
また、なかには残業代の支給がないところもあります。
年収の高い金融業などに比べると、賃金は低いうえに、歩合制を導入している店舗もあるのです。
歩合制の場合、ノルマを達成できないと、収入がわずかしかないという人も少なくありません。
給料が安いと、モチベーションも上がらず、精神的負担に繋がってしまいます。
人間関係が面倒
人間関係は、接客業に限らず、転職理由の大きな要因になります。
人間関係がうまくいかないと、ストレスは高くなるからです。
特に、接客業は忙しくてピリピリしたムードになるので、人間関係も悪化しやすいという特徴があります。
また、女性が多い職場であれば、独特なルールや派閥があるかもしれません。
周りに気を使いながら仕事をするのは、大きなストレスとなります。
接客の仕事は好きだけれど、面倒な人間関係が嫌で辞めてしまう人も少なくありません。
異動が多い
異動が多いことがストレスになる人もいます。
特に、チェーン展開している店舗の場合は、全国規模で異動がある場合も少なくありません。
異動すると、人間関係を一から築かなければならなくなります。
家族がいれば、異動のたびに子供を転校させたり、家族と離れて単身赴任する必要が出てきます。
たとえ独身でも、友達や恋人と離れ、遠くで暮らさなければならないので、多くの人にとってストレスになります。
異動が多いと、孤独感から退職を考えるのも自然なことです。
接客業を辞めた方がいいケース
辛いという理由だけで辞めるのは「甘えなのでは?」と感じるかもしれません。
確かに一時的な感情だけで辞めると、後悔する可能性もあります。
しかし、下記のようなケースの場合は、辞めることを検討した方がいいかもしれません。
- ストレスが限界に達している
- 労働環境が悪い
- やりたい仕事がある
- 将来性がない
それぞれのケースについて、詳しく見ていきましょう。
ストレスが限界に達している
最初のケースは「ストレスが限界に達している」場合です。
このまま仕事を続けると、体を壊してしまう可能性があるからです。
特に、責任感の強い人は注意しましょう。
「もう少し頑張れるかも」と思い、ついつい我慢してしまうからです。
すでに体に不調が出ている場合は、ストレスが限界に達している証拠です。
ストレスを抱え続けると、慢性的に病んでしまい、治らなくなってしまう可能性があります。
労働環境が悪い
労働環境が悪い場合も、早めに退職を考えましょう。
いわゆるブラック企業と呼ばれるような会社は、あなた一人が声を上げても、おそらく何も変わらないからです。
ブラック企業の特徴としては、下記のような状況が挙げられます。
- 残業時間が過剰に長い
- 休みを取らせてもらえない
- 正当に評価されない
- パワハラが横行している
労働環境が悪い会社に、将来性はあまり感じられません。
自分のためにも早めの転職を検討しましょう。
やりたい仕事がある
今の仕事のほかにやりたい仕事がある場合も、前向きに転職を検討してみてください。
転職先や転職した後のビジョンが、比較的明確に見えている可能性が高いからです。
もちろん、やりたい仕事のためにお金を貯めるために今の仕事をしているのであれば、貯まるまで頑張るというのもひとつの方法です。
しかし、特に理由もなく、あと一歩が踏み出せないのであれば、思い切って退職してみましょう。
今のまま、仕事を続けても時間のムダになってしまいます。
やりたい仕事があるのであれば、早めに転職することをおすすめします。
将来性がない
将来性がないと感じる場合も、転職を検討しましょう。
いつかは退職するのであれば、早い方が転職にも有利だからです。
先述したように、接客業は体力的にも大変な仕事です。
年齢を重ねると、体に不調が出てくることも少なくありません。
また、「今後も給料が上がりそうもない」「さらなるキャリアアップは難しい」と感じるのであれば、転職もおすすめです。
将来性がない場合は、早めに転職を考えましょう。
接客業が辛くて辞めた人の成功体験談
接客業からの転職を迷っている方には、実際に成功した方の体験談を知ることがおすすめです。
成功体験を読むと、前向きに転職を考えられるようになるからです。
ネット上では、以下のような声が寄せられていました。
- 暦通りの休みを取れるようになった
- ピリピリした職場環境から解放された
- 生活リズムが安定した
それぞれの体験談を、詳しくご紹介していきます。
暦通りの休みを取れるようになった
契約系の接客業に6年間、携わっていました。
接客業といってもいろいろありますが、私が働いていたところはシフト勤務で、土日祝日はほぼ強制的に出勤しなければなりませんでした。
もちろん、平日休みだと、比較的街が空いているなどのメリットもありますが、周りが土日休みだと休日は一人になりがちです。
家族や友人と過ごせず、寂しい思いをすることも多々ありました。
そこで、思い切って事務職へ転職しました。
たまに休日出勤が生じることもありますが、基本的には暦通りの休みをもらえます。
土日のイベントや友人の結婚式にも、気兼ねなく参加できるようになりました。
これから、結婚、出産といったライフステージを迎えることを考えても、やはり土日休みの仕事に転職してよかったと感じています。
ピリピリした職場環境から解放された
アパレル業界に憧れ、大好きなファッションブランドの店舗に就職することができました。
最初の頃は楽しく働いていたのですが、厳しいノルマに悩まされるように。
毎月の売り上げが悪いと、自腹を切って購入することもありました。
また、繁忙期はスタッフが忙しすぎて、ピリピリした雰囲気になります。
そこで、5年で仕事を退職し、製造業に転職しました。
仕事は忙しいですが、接客ではないので、周りの同僚とコミュニケーションを取り合いながら仕事を勧められます。
お互いに打ち解けられるので、ピリピリしたムードにもならず、楽しく仕事ができています。
生活リズムが安定した
ホテルマンとして10年間、働いてきました。
しかし、不規則な生活が続き、次第に体調に異変が生じるように。
頭痛や動悸、ほてり、しびれといった症状が出るようになったのです。
病院に行ったところ、不規則な生活による自律神経失調症と診断されます。
しばらくは薬を飲んで、仕事をしていましたが、病院の先生に「休まなければどんどんひどくなる」と言われてしまいました。
ちょうど、知り合いから声をかけてもらったこともあり、思い切って営業職へと転職します。
土日休みの仕事で、人との関りもあるので、接客自体はもともと好きだった私にはぴったりの仕事でした。
転職してからは生活リズムが安定したからか、体の不調は良くなり、今では薬を飲むこともなくなりました。
若い頃は問題なかったことでも、年をとってくるとだんだんと体に出てくるものだなと実感しました。
接客業を辞めた後のおすすめ転職先
特にこれといってやりたい仕事がない場合は、どんな職種に転職すればいいのか、迷う方も少なくありません。
接客業を辞めた後の、おすすめ転職先としては下記のような職種が挙げられます。
- 営業職
- エンジニア
- 事務職
それぞれの転職先のおすすめ理由を、具体的に解説していきます。
営業職
まず最初のおすすめが「営業職」です。
営業職は、未経験者の採用も多く、比較的転職しやすいのが特徴です。
なかでも、法人の営業は、コミュニケーション能力や提案力が求められるので、やりがいのある仕事といえます。
接客業で培った、対人スキルも役立ちます。
「営業」と一言でいっても、物を売る仕事から広告やメディア業界といった、無形商材の仕事など、仕事内容はさまざまです。
自分の興味のある分野が見つかれば、仕事もより楽しくなるかもしれません。
エンジニア
次におすすめするのが「エンジニア」の仕事です。
エンジニアはスキルさえあれば、未経験であっても採用してもらえるところも多いからです。
今のうちに、プログラミングスクールなどで、スキルを身に着けておくと、より有利に転職を進められる可能性があります。
開発者不足な企業も多いので、未経験でも採用しているところを探してみるといいかもしれません。
事務職
最後は「事務職」です。
立ちっぱなしの接客業が辛い人にとって、座ってできる事務職はおすすめの仕事のひとつです。
特に、女性には転職先としても人気があります。
総務、人事、経理など、さまざまな種類の事務職があるので、自分にあった職種を選びましょう。
事務職とはいえ、職場の人と接する機会はあるので、接客業で培ったコミュニケーション能力を生かすこともできます。
ただし、事務職の場合は、正社員の求人が少ないので注意が必要です。
「入ってみたら契約社員だった!」ということのないよう、雇用形態は事前にしっかりチェックしておきましょう。
接客業が辛い時の退職方法
どうしても接客業が辛い時は、転職や退職を考えた方がいいかもしれません。
スムーズに退職して、気持ちよく新しい仕事を始めたいものです。
スムーズに退職するためには、下記の方法がおすすめです。
- 退職理由を考える
- 退職時期を決める
- 退職を伝えるタイミングを計る
- 会社と揉めた場合はプロに相談する
それぞれの方法を具体的に解説していきます。
退職理由を考える
まずは、自分と向き合い、どうして「辞めたい」と感じているのか、退職理由をしっかり考えてみましょう。
理由がわからないと、上司に引き留められたときに言い返せなくなってしまうからです。
たとえば、「仕事が辛いから」という理由で退職を願い出ても、「環境を変えるから考え直してほしい」と言われてしまいます。
できれば「辛いから」という理由ではなく「やりたい仕事ができた」などと前向きな理由を伝えると、上司にも応援してもらいやすくなります。
上司に伝える退職理由は、実際の退職理由ではなくても問題ないので覚えておきましょう。
退職時期を決める
退職時期は、自分のなかで決めておきましょう。
具体的な退職時期を決めておかないと、上司にダラダラと引き延ばされてしまうからです。
特に、転職先が決まっている場合は、注意が必要です。
予定通りの日に退職できないと、転職先にも迷惑が掛かってしまいます。
転職先が決まっているのであれば、転職先の入社日までには退職するようにしておきましょう。
有給消化や引き継ぎの日数も計算しておくと、スムーズに退職できます。
退職を伝えるタイミングを計る
次に、上司に退職を伝えるタイミングを計ることも大切です。
ゆっくり話せる時を選ばなければ、話が流れてしまう可能性があるからです。
特に、接客業の場合は、お客さまのいないタイミングで、退職を伝えるようにしましょう。
業務終了後など、忙しくない時間帯を選んで、上司に相談してください。
退職を伝えるタイミングを計って「忙しいから後にして!」と言われないようにしましょう。
会社と揉めた場合はプロに相談する
有給や退職日のことで、会社と揉めた場合はプロに相談するようにしましょう。
退職代行サービスを利用すると、会社とスムーズにやり取りすることができます。
特に、「有給消化をさせてもらえない」「退職の話を聞いてすらもらえない」などといった時は、一度相談してみることをおすすめします。
プロに相談することで、的確なアドバイスをもらえる可能性もあります。
転職する際の注意点
退職時だけでなく、転職をする際にも注意が必要なポイントがあります。
特に注意したいのは、下記の点です。
- 接客業で身につけたスキルをアピールする
- 退職理由は前向きな理由にする
- 転職先はしっかりリサーチする
それぞれの注意点を、詳しく見ていきましょう。
接客業で身につけたスキルをアピールする
まずは、接客業で身につけたスキルを積極的にアピールしましょう。
誰にでもできると思われがちな接客業ですが、実際には接客業は多くのスキルが求められる仕事です。
ある程度、接客業を続けた人であれば、自分が思っているよりも、さまざまなスキルを習得しているものです。
たとえば下記のようなスキルが挙げられます。
- 傾聴力
- 臨機応変な対応力
- 接客スキル
- マネジメントスキル
- 正確性
具体的な資格がなくても、上記のようなスキルをアピールすると、転職に有利になります。
退職理由は前向きな理由にする
退職理由を聞かれたら、前向きな理由を答えるようにしましょう。
同じ理由でも、言い方ひとつで受け手側の印象は大きく異なるからです。
たとえば、残業が多いことが退職理由であれば「効率的に仕事をして、さらに成長したいと思ったから」と言えます。
また、忙しすぎることが理由の場合は「自分の業務に集中して、さらに良いパフォーマンスをしたい」と言い換えられます。
「仕事が辛い」と感じた人も、「やりがいのある仕事をしたいと思った」と言うと、前向きな理由に聞こえるかもしれません。
同じ「辛かった」という理由でも、プラスの一言を付け加えるだけで、印象が良くなるので覚えておきましょう。
転職先はしっかりリサーチする
転職先はしっかりリサーチしておくことも大切です。
同じことの繰り返しを避け、転職を後悔しないためです。
求人情報を見るだけでは、その企業の本質を見極めることはできません。
口コミや企業情報をしっかり読み込みましょう。
自分で調べられることに限界があるのであれば、転職エージェントを利用するのもひとつの方法です。
「前の職場の方がマシだった」と後悔しないためにも、転職先はしっかりとリサーチしておきましょう。
接客業が辛い時は辞めるのもあり!まとめ
接客業は人と関わることによるストレスも多く、積み重なると辞めたくなることもあります。辞めたいと思った時は、まず冷静になり、なぜ辞めたいのか、ほかに対処法はないのか、考えてみましょう。
どんな仕事でも、辛いことや大変なときはあるものです。それでも、どうしても辛い時は、迷わず転職をおすすめします。接客であなたが培ったスキルは、さまざまな仕事で生かすことができるでしょう。