仕事が上手くやれないと、自分には向いていないかもしれないと感じるのは誰しもあることです。ミスばかり、ダメ出しばかりだとへこむ毎日で自信を失くしてしまうことでしょう。
しかし、今の仕事が合わないからとただ仕事を変えるだけでは、また同じように悩んでしまいます。何度も転職を繰り返すことになれば、「自分に合うものが何もない」「自分は何もできない」となかなか解消できない悩みとなって、自分自身を否定してしまうことにもなりかねません。
自分の向き不向きをしっかり把握することで、仕事を楽しめるようになりましょう。この記事では、本当に向いていないのかの判断基準と、向いていないと感じた時にすべきことをお伝えします。

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向いていない仕事の判断基準
今の仕事が自分に向いていないと感じたのは、どんなきっかけがありましたか?向いていないと感じた悩みは、実は本当に向いていないのではなく解決できる悩みかもしれません。向いていないからと辞めてしまう前に、早まらず冷静に判断してみてください。
問題を見つければ解決できる悩み
向いていないと感じる悩みの中には、問題を解決すれば解消できる悩みも混ざっています。それは向いていないのではなく、ただやり方がわかっていないだけなのです。
どこに問題があるか気づければ、改善の余地があります。向いていないかどうかの判断はそれからでも問題ありません。努力によって悩みが解消されるなら向いていないわけではないでしょう。
働いていて楽しくない
働いていて楽しいと思えないのは向いていないから、と思う人もいます。しかしそれは、仕事を楽しくする方法を知らないだけかもしれません。どんな仕事もまずは動きや流れを覚える必要があります。覚えて動くだけで手一杯の状態では、やらされているように感じて楽しめないのは当然です。
仕事を楽しむ人は、自分で考えながら動きます。動きや流れを覚えた上でさらに工夫をこらすことで、思考が成果につながり楽しめてくるのです。仕事に慣れてきたら、楽しんでみる努力をしてみましょう。楽しくないのは向いていないのが原因ではなく、楽しむ気持ちなのではないでしょうか。
もっと向いている仕事がある気がする
仕事がつまらない、やりがいを見出せないときは、向いていないのではなく逆に上手すぎるからかもしれません。やることが少ない、簡単すぎて飽き飽きしているなど、自分でなくてもやれる仕事だと感じてしまうとやる気がなくなってしまうのでしょう。
その場合、簡単にやれてしまうからこそ向上点や改善点が見えてきます。気づいた点を生かし自分から提案や発信をすることで、今のつまらない仕事をアップデートしていけます。もっと自分を生かせる仕事に変えていけるかもしれません。
やりがいを見出すのは自分の気持ち次第です。つまらない仕事と決めつけず、クリエイティブな視点から今の仕事を見てみてください。
向いていない以外の理由がある
「向いていないから辞めたい」と思う気持ちのなかに、実は別の気持ちが隠れていることがあります。向いてないとは違う理由で辞めたいのに、自分の気持ちをごまかすためにそう思い込もうとしていませんか。
人間関係や給与、待遇などが本当は嫌なのではないでしょうか。表向きは向いていないことが理由でも問題ありませんが、他の理由で辞めたいことを自分ではきちんと認識しておきましょう。気持ちをきちんと整理して認識し、問題がどこにあるかわかっていれば次につながる糧となります。
時間が解決する悩み
他にも、時間が解決する悩みが混同している場合があります。仕事に慣れていけばわかることであったり、経験を積めば解決できることもあるからです。初めての仕事は誰にとっても難しいものです。時間を経て段取りや全体図がわかれば、解決できる悩みもあります。
ミスが多い
どんな人でもミスが続くと「自分は向いていないのでは」と悩んでしまいます。ミスをしてもへこまずに、まずは改善を試みましょう。はじめはミスをしながら覚えるものです。失敗は上手くやる方法を覚えるチャンスだと思ってください。
ミスをする背景には、まだ全体像が見えてないことも考えられます。経験していけばわかることなので心配いりません。同じミスを繰り返してしまうときは、先輩の仕事を見て聞いて学び、改善の余地を探してみましょう。
本当に向いてない時の悩み
以上の2種類の悩みであれば、向いていないわけではないのでなんとか解決できそうです。しかし、本当に向いていない場合の悩みもあります。時間を経ても気持ちを上げても、なんだか他の人の邪魔になってしまう、上手くやれない、失敗し続けるときは本当に向いていないのかもしれません。
周りに向いていないと言われる
向いていないと周りに言われる場合は、別の仕事や業務に切り替えることも考えましょう。同じ仕事をしている経験値のある人から見ると、頑張っているのも見えている上で向いているかが判断できるからです。
一緒に働く人は、自分の業務にも直結するので人の仕事の出来を客観的に見ています。誰と一緒の時は仕事が早くて楽だけど、誰と一緒の時は回らない、などです。悪意がある人からの話は聞かなくてもいいですが、上手くやれなくて悩んでいる時はアドバイスとして求めてみてください。周りの意見を聞くのも大切です。
要領が悪く上手く仕事が進まない
長く続けても要領を得ず、上手くできない時は本当に向いていないのかもしれません。大抵の仕事は経験を積み流れを理解できれば、問題なくこなせるはずです。
まずは長く続けてみて、悩みが解決できればそれで問題ありません。それでもやっぱり要領が悪い、上手く仕事が運べないとなったら、得意ではないことだったと割り切ることも必要です。
今の仕事が向いていないと気づいたらすべきこと
今の仕事が向いていないと感じたら、別の仕事に転職しようと考えると思います。しかし、向いていないからと安易に辞めてしまうのは危険です。また次の職場も、「向いてない」ことを理由に何度も転職することにもなりかねません。
退職を決意する前に、自分の適性を知ること、やりたくないことを掘り下げることの二点を確認しましょう。より働きやすい環境をつくったり探したりすることにきっと役立つはずです。
自身の向き不向きを明確にする
自分に向いた職業を探すために、まずは自身の適性や特徴を捉えることが大切です。自分に向いた仕事を選べれば、仕事が続きやすくなります。退職しなくても、部署替えや業務替えなどで解決できる場合もあります。
転職サイトの適性診断で、自身の適性や向き不向きがわかるので登録してみるのもおすすめです。家族や友人、職場の親しい人の意見も聞くと、あなたの性格も踏まえた上でどんな仕事に向いているのか一緒に考えてくれるかもしれません。自身の適性を理解し、より働きやすい環境を探す道標にしましょう。
やりたくないことも掘り下げる
向き不向きの他にも、やりたくないことがわかれば上手く避けることもできます。今の業務の何が嫌なのかを認識できれば、辞めるべきか部署替えで解決できるのかの検討もできます。
たとえば人と関わることが嫌で仕事自体は問題ないケースや、体力がないことで肉体労働が苦になっているケースなどもあります。部署や配置変えを願い出たり、体力づくりなどの改善策を講じれば、退職をしなくても悩みを解消できる場合もあるでしょう。
やりたいこともないのに辞めるのはリスクが高いです。自分のやりたくないことを理解して上手に避けるだけでも、より働きやすい環境は作れます。
「向いてないから辞める」退職理由の甘さ
「向いていないだけで辞めるなんて甘い」と言われることがあります。向いていないことよりもただ現状から逃げたいだけで退職を選ぶのでは、確かに甘いと言わざるを得ないでしょう。
向いていないからと何度も同じように転職を繰り返してしまうと、金銭的にも精神的にも辛くなります。退職する前によく考えてから行動にうつすべきです。向いていないことを理由に辞める時の、甘いパターンと全うなパターンをご紹介します。
転職を何度も繰り返してしまう
確かに向いていないことだけを理由に辞めてしまうのは「目的がなく見通しの甘い人」という印象です。一度の退職や転職から学ばず、何度も向いていないことを理由に転職しそうだからです。
退職すること自体が甘いのではありません。転職を繰り返すことになるような見通しが甘いので、よく考えてから行動する必要があります。目的もなく対処療法のように転職をするのではなく、何がしたい、何が自分には向いている、などの自己分析をしっかりしましょう。目的を持ち先を見据えた上で起こす行動ならば、考えが甘いとは思われません。
身体的精神的苦痛は全うな退職理由
向き不向きとは関係なく、精神的や肉体的に辛い仕事であれば無理して勤め続けるべきではありません。体を壊してしまうと、仕事どころではなくなります。解決するために努力したものの、自身ではどうすることもできない問題であれば退職は真っ当な判断です。
身体的精神的苦痛に耐えることが美徳ではないのです。自分を守るための行動なので、甘えでも逃げでもありません。悩みが苦痛となるほど無理をする前に、より良い環境を求めて退職しましょう。
自信を無くした時にやってはいけないNG行動
自信を無くした人は自暴自棄になりやすく、間違った方向に動いてしまうことがあります。向いてないからと言って無謀なことをしてしまうのも、甘いと言わざるを得ません。以下のNG行動は避けるようにしましょう。
あてもなく辞める
次の見通しもない状態で、先走って退職してしまうのはNG行動です。自分に向いている仕事を厳選しなければ、同じことの繰り返しになってしまいます。向いていないからとただ辞めるのでは、金銭的に生活に困ってしまうなど退職を後悔することにつながります。衝動的に退職しないようにしましょう。
1人で決める
退職や転職を誰かに相談することで、よりよい判断につながることがあります。自分1人では客観視しにくいからです。独りよがりな判断とならず、自分1人では思いつかないような新しい着眼点から自分に向いていることに気づくこともあります。
最終的に決めるのはあなたですが、誰かに相談して視野を広げてからの方がよりあなたに合う環境を探せるはずです。退職や転職を考え始めたら、客観視できる誰かの意見も聞きながら決めましょう。
ラクな仕事を基準にする
今の仕事が合わずに大変な思いをしたからといって、ラクを基準に次の仕事を選ぶのはおすすめできません。ラクだからといってあなたに向いているという保証はないからです。
ラクを基準に選ぶことは、今の仕事から逃げるだけです。飽きてしまったり、ラクだと思った仕事すら大変に感じてしまっては、また退職、転職と同じことの繰り返しになってしまいます。ラクな仕事が向いているとは限りませんから、自分を分析して天職と思える仕事を探しましょう。
将来のビジョンを思い浮かべて決めよう
楽しいものや好きなもの、なりたいものを基準に次の転職先を選ぶのもおすすめです。たとえ大変でも楽しみを見出せる仕事なら、将来的にも永く続けられる仕事となるでしょう。好きなことであれば、向いていようといまいと夢中で仕事に取り組めるという利点もあります。
向いていないと感じたときは、天職に出会えるチャンスです。自分を見つめ直してやりたいこと、楽しいこと、向いていることなどを掘り下げて自分をもっとよく知りましょう。やりがいを感じる将来の天職に出会うために、自己分析から始めてみてください。