仕事辞めたい

トラック運転手を辞めたい|後悔しない転職と辞める前に知っておくべきことを解説

トラックドライバー 辞めたい

トラック運転手を辞めたいと思っている方の中には、漠然と今の仕事に不満や不安を感じている方もいれば、今よりも良い条件で働きたいと思っている方もいると思います。

まずは平均的な給与水準や労働環境を把握し、現在の会社に居続けるべきかどうかをしっかりと検討することが大事です。また転職をする場合は、失敗しないために転職先のどのような点に注意すべきかポイントをしっかり抑えることが大切です。

この記事では運転手の皆さんへ、転職をするかどうかの判断の仕方、後悔しない転職のコツと今の会社を円満に退職する方法を解説します。

トラック運転手を辞めるべきかの判断基準

まずはトラック運転手という仕事の平均や法律をしっかり把握することが大事です。なぜなら仕事をする際、給与と労働環境はとても重要だからです。世の中の水準や制度をしっかり理解し、今自分がいる会社が「今後も働き続けるべき会社か」をしっかりと検討することから始めることをおすすめします。

運転手の平均給与

全日本トラック協会の調査によると2020年度のトラック運転手の1ヶ月の平均賃金は約330,000円(賞与、手当など含まず)です。この平均賃金は地域差が非常に大きく、一番高いのが中国地方、一番低いのが沖縄という結果になっています。

地域 1ヶ月の平均賃金
北海道 330,800円
東北283,800円
関東 337,300円
北陸・信越 318,600円
中部 340,400円
近畿 341,800円
中国 346,900円
四国 328,600円
九州 318,900円
沖縄 252,800円
引用元:全日本トラック協会「2020年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」について

トラック運転手の平均賃金はけん引、大型、中型、準中型、普通といった区分でも差がありますが、全職種の平均が上記の表です。もし今働いている会社の給与がこの平均と比べて著しく低いようなら転職を考える必要があります。

法で定められる労働時間の上限

トラック運転手の労働時間に関する法律を理解する上でまずしっかりと把握すべき言葉が「拘束時間」と「休息時間」です。

拘束時間

始業時刻から終業時刻までを指し、労働時間と休憩時間(仮眠時間)の合計をいいます。

休息時間

勤務と次の勤務の間の時間で、労働者の完全に自由な時間を指します。

1ヶ月の拘束時間の上限

原則としては293時間ですが、1年のうち6ヶ月は、1ヶ月あたり320時間まで延長が可能です(ただし1年で3,516時間を超えてはいけません)。

1日の労働時間の上限

原則としては13時間ですが16時間まで延長が可能です。ただし、1週間のうち1日の拘束時間が15時間を超えていいのは2回までと決められています。また、1日のうちで連続した休息時間を8時間確保しなければなりません。

今働いている会社では上記の法律がしっかり守られているか確認してください。

「週に何度も長時間労働がある」、「細切れの休息時間しか確保されていない」、「週に数回しか自宅に帰れない」などの状況があればそれは違法です。自分の置かれている状況に対し「トラック業界はこういうもの」、「どこの会社にいっても同じ」と諦めて、知らず知らずのうちに違法な環境で働かされているということにならないよう気をつけてください。

トラック運転手を辞めたくなる主な理由

トラック運転手になりたいという人がいる一方で辛くて辞めたいと考えている人もいるのが現状です。どんな職業でも働き方や環境で良い面も悪い面もあるのが通常です。では、現役の運転手の方たちは一体どのような時に辛い、辞めたいと感じているのでしょうか。その理由を紹介していきます。

拘束時間が長い

一般に労働基準法で定められた1日の労働時間は8時間です。ただ運転手の仕事は8時間以上かかる場所への移動があるなど特殊な仕事のため、1日13時間までの労働が認められています。つまりほかの職業より長い拘束時間が法により認められているのです。

厚生労働省が行なった「トラック輸送状況の実態調査結果」では、トラック運転手の平均拘束時間は12時間26分でした。またこの調査で長距離トラックの従事者は夜勤が多い傾向が示されています。

このため、睡眠時間の確保が難しい、家族や友人と過ごす時間が取りづらいなどの声が上がっています。

体力的にきつい

トラック運転手は肉体労働です。長距離運転手であれば当然、長時間の運転が必要となります。運転が好きでこの仕事についた方でも、同じ姿勢を長時間とり続けることで肩こりや腰痛といった悩みを抱えている人は少なくありません。

また短距離の配送の場合は、毎日複数回の荷物の積み下ろしや、重い荷物を抱えて配送先を回るなど体力勝負の場面がたくさんあります。

残業代がつかない

厚生労働省が行なった「トラック輸送状況の実態調査結果」を見ると手持ち時間の平均は1日48分となっています。

「手持ち時間」とは明確に労働しているわけではないが、指示があればすぐに対応しなければならない時間を指します。つまり労働者の自由になる時間である「休息時間」とは呼べないので労働時間としてカウントするべき時間です。しかしこの手持ち時間を労働時間として組み込んでいない会社があるのが実情です。

また、早めに出勤して準備に取りかからないと間に合わないようなノルマを課されている場合も、出勤時間前の作業に対しては残業代がつかないという声が多数上がっています。

トラック運転手が転職先を選ぶ際に注意すべきポイント

ここまで読んで、転職を具体的に考え始めてみようかと思っていらっしゃる方もいると思います。ただ、次の会社をどのように選んだらいいかわからない、会社選びで失敗したくないというのが共通の思いではないでしょうか。では一体何をポイントに選べば後悔のない転職ができるのでしょうか。

転職活動そのものが精神的に大きなストレスになりますし、現在の仕事を続けながら新しい職場を探すのは時間的にも厳しくなります。家族に心配をかけないためにもより良い職場を選びたいという方や経済的な不安を抱えている方もいることと思います。

転職活動、会社選びで失敗しないためにはどのような点に注意すればいいかを具体的に解説していきます。

雇用形態がしっかり明示されているか

給与

転職先を探す際、一番初めに目がいくのが給与ではないでしょうか。この部分を見る際、月給や日給の金額だけでなく、手当てや賞与、残業代がどのように付いているかをしっかり確認する必要があります。

特に残業代は、前残業や手持ち時間、休憩時間などあいまいにされがちなので可能なら会社に問い合わせたり、面接の際に質問すると良いでしょう。

勤務時間

仕事の多い会社はそれだけ勤務時間も長くたくさん稼げると思いがちですが、体を壊したら元も子もありません。また長距離の運転手は夜勤が多くなる傾向にあるので家族との時間を確保することが難しくなります。

勤務時間の長さは家族に心配をかける大きな要因となるので慎重に確認する必要があります。

福利厚生

家族を養っている人は家族手当てや住宅手当ても確認が必要です。この手当てが付いているかどうかで働きやすさは大きく変わります。

単身者の方は寮が完備されている会社やまかない(食事)付きの会社もあるので、実際に働き始めてからのイメージがしっかりとできるかどうかは非常に大事です。

資格支援制度

現在、中型に乗っていて大型に転向したい方や、フォークリフトを使えるようになりたいなど仕事の幅を広げたいと考えている方もいると思います。さまざまな資格を取得することでキャリアアップがねらえるのも運転手の仕事のいいところです。

資格支援制度を設けている会社もあるので、ステップアップが目指せる会社かどうかも一つの判断材料になります。

経験

求人の中には「経験者限定」としている会社もあります。万が一、運転手が事故を起こした場合、会社にとっては大きな損害が生じます。そのため多くの会社が事故を起こさない優良ドライバーを雇いたいと考えています。現在、運転手をしている方は「経験者である」ということが大きな強みとなりますので、自信を持って自分をアピールしてください。

信頼できる会社か

会社選びの際、重要なのは待遇や雇用形態だけではありません。一日の大半の時間を仕事をしながら過ごすわけですし、運転手は一歩間違えば大きな事故に繋がる可能性もある仕事です。安心して働くためにも信頼できる会社を選ぶことはとても大切です。

請け負う仕事内容

運送会社の中には、荷主と直接契約を結んでいる会社もあれば、下請け、孫請けとして契約している会社もあります。そのような会社は当然会社の収益も小さくなります。それにより会社の運転手への扱い方も変わってくることがあるので、どのような仕事を請け負う会社なのかは把握しておきましょう。

安全対策

会社が安全対策を怠ると運転手がけがをすることもあります。安全管理マニュアルはあるか、ドライブレコーダーや装備はしっかりしているかなど、運転手を守るための対策をしっかり行なっている会社を選ぶことをおすすめします。

洗車や車両点検の時間の確保

トラックの整備不良は運転手の命に関わる大きな問題です。常にトラックをベストな状態に保つために、日々の点検や洗車の時間をしっかりと勤務時間内に組み込んでいるかどうかは大きなポイントです。この時間が確保されているかどうかで会社の運転手に対する誠意がわかります。

自分の希望に合っているか

長距離運転手は一度、荷積みをして出発したら長い時間を1人で過ごすことになります。一方、短距離の配送は配送先を一件、一件回って荷物を届けるので配送先と直接関わることが多くなります。おのずと挨拶やマナーも求められますし、アパートの階段を荷物を持って上がるなど体力を求められる場面もあります。

自分の求める働き方や自分がしたいことをしっかりと考え、求人の内容が自分の希望とあっているか検討しミスマッチを防ぎましょう。

危ない求人に引っかからないために

転職を考えるとき、少しでも条件の良い会社を見つけたいと誰もが思うはずです。しかし給与が高すぎる会社は何か裏があるかもしれません。また頻繁に求人を出している会社は社員がすぐに辞めてしまう会社かもしれません。

せっかく転職してもすぐに辞めたくなってしまうような会社ではストレスになりますし、すぐにまた転職をすることになると経済的にも時間的にも厳しくなる可能性があります。好条件に惑わされず、長く勤められる会社かを考えることも忘れないように心がけたいものです。

円満、円滑な退職をするためには

退職意志を伝えるタイミング

会社を辞める際、法的には2週間前に言えば辞めることができます。しかし一般的にはもう少し余裕を持って伝えることが望ましいとされています。会社は代わりの人を雇う時間が必要かもしれませんし、自分の仕事をほかの人に引き継がなければならないかもしれないからです。少なくとも1ヶ月以上前には伝える方がいいでしょう。

「何ヶ月前に言わなければならない」などの会社の独自のルールが設けられている場合もあるのでまずは就業規則をしっかり確認した方がいいです。

退職理由の伝え方

退職を決めるとき、今の会社に大きな不満があり嫌気がさして辞めるというケースもあると思います。しかし円満退社を目指すのであれば退職理由は不平不満ではなく、できるだけ前向きなものが望ましいです。「ステップアップのため」や「結婚などで生活環境が変化した」など前向きな理由をあげ、明るく送り出してもらうことを心がけたいものです。また退職意向を伝える際はメールや電話ではなく直接伝えることが好ましいです。

意思表示ははっきり

退職を反対されることを恐れて退職意志をあいまいに伝えてしまうのは逆効果です。まだ意志が固まっていないと捉えられ、考えを変えるよう説得されたりうやむやにされてしまったりするからです。

退社時期に関してもはっきりと希望を伝えないと引き伸ばされたりして、なかなか新しい生活が始められません。もし転職先が決まっている場合は、現在の会社の退職が決まらないと、新しい会社に迷惑をかけてしまうことになります。

退職を決めたら、意志と時期をはっきりと伝えることが大事です。

有給消化や未払金の清算

有給休暇は法律で定められた制度で、最低でも年に5日は取得できることになっています。自分が何日有給を取得できるかしっかり確認し、退社日までに必ず消化するように会社に申告しましょう。

過去の残業代や手当てなどで未払いのものがある場合、2年間までさかのぼって請求できると法で定められています。この請求は退職後であっても可能です。ただ、新しい職場での仕事が始まると何かと忙しくなることが予想されるので、可能な限り退職前に清算してもらえるよう会社としっかり話し合いをしてみてください。

退職代行を利用する方法も

会社を辞める際、トラブルが発生するケースもあります。上司に聞き入れてもらえなかった、辞めるなら備品代を払えと言われた、無理やり退社日をひきのばされたなど自分の力ではどうにもできない場合もあります。

そのような時には「退職代行サービス」を利用するという方法もあります。代行業者が本人に変わって会社に退職を伝え、お金の清算などの交渉ごとを法的な立場、知識を使って適正に進めてくれるものです。

気持ちよく新しい生活を始めるためにもトラブルやストレスなく今の会社を辞めることはとても大切なことです。一人で解決できない場合は専門家に相談してみるのも一つの手です。

トラック運転手を辞める前に

今、トラック運転手を辞めたいと思っている方は心に大きなストレスを感じていたり、漠然と不安を感じていたり、今よりも良い未来を思い描いていたりさまざまだと思います。まずは感情的に考えず、「今の会社を辞めたいのか」「トラック運転手そのものを辞めたいのか」のどちらなのかを冷静に自分の心に問いかけてみてください。

運転手と一言で言っても、長距離、短距離、大型、小型と働き方はさまざまです。働く環境や地域を変えるだけでも全く別の業種に転職するのと同じくらいの変化がある場合もあります。

まずは自分の好きなこと、やりたいことやどんな生活スタイルをしたいのかなどをしっかりと考えてみてください。