仕事辞めたい

美容師を辞めたい理由|退職の判断基準や経験を生かせる転職先とは

美容師 辞めたい

華やかなイメージに憧れて美容師になったものの、実際はアシスタントとしての下積み期間が長く、長時間労働や割に合わない給料などが原因で辞めたいと思っている人も多いのではないでしょうか?そのような過酷な労働環境では辞めたくなるのも無理はありません。

この記事では、美容師が辞めたくなる理由やその対処法、辞めるかどうかの判断基準やおすすめの転職先、近年増えている新しい働き方や、今の職場を円満退職する方法などを紹介しています。この記事を読めば、美容師として培った知識や経験を生かしてあなたらしく働ける選択肢が見つかるでしょう。

美容師を辞めたい5つの理由

美容師が辞めたくなる主な理由は、立ちっぱなしでの長時間労働やそれに見合わない給料、アシスタントとしての長い下積み期間や人間関係の狭さです。体力的にきつい長時間労働や給料の少なさを考えると、今後のキャリアも不安になり、一度は辞めたくなってしまう美容師がたくさんいます。

長時間労働が辛い

美容師の仕事は、接客以外にも営業時間外の練習や指導、勉強会に費やす時間が多く、朝早くから夜遅くまでの激務です。そのうえ、営業時間中はほとんど立ちっぱなしで体力的にきついことから、多くの人が辞めたくなる傾向にあります。

アシスタントの間は営業時間前後にカットやカラー、パーマなどの練習が欠かせませんし、スタイリストになると今度はその指導に回らなければなりません。土日祝日や指名が多いときは、まともにお昼ご飯を食べる時間もないほど忙しい日もあります。休日も研修や勉強会で潰れてしまうことがしばしばです。

このように美容師は、長時間労働でプライベートな時間がほとんど取れないため、ストレスが溜まり、その結果辞めたくなる人が多くいます。

給料が少ない

美容師は今述べたような長時間労働の割に、給料が少ないと言われています。厚生労働省がまとめた『令和3年賃金構造基本統計調査』の産業別にみた賃金の項目を見ると、美容師を含む生活関連サービス業の給料は平均268,200円で、全16産業中14位とかなり低い値です。

このように美容師の給料は、その長時間労働に見合っておらず、昇給も少ないため、このままの収入でやっていけるのか不安になる人も少なくありません。

参考記事:厚生労働省ホームページ『令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況』

アシスタント期間が辛い

美容師は下積み期間が長く、スタイリストのヘルプや技術の練習ばかりで辛くなり、アシスタントの段階で多くの人が辞めたくなります。スタイリストになるまでは平均3年と言われており、なかにはスタイリストになれる合格基準が高く、それ以上の期間がかかってしまう美容室もあります。

営業時間中はシャンプーやカラー塗布、マッサージや接客、掃除など、スタイリストのヘルプをひたすら繰り返し、営業時間前後では技術の練習が欠かせません。その練習もスタイリストによってやり方が違うため、混乱してしまうこともあります。手荒れや腰痛に悩まされるアシスタントも珍しくありません。

このように辛い下積み期間を過ごし、スタイリストになれないまま2,3年が経過すると、徐々に「自分は美容師に向いていないのではないか」「教えてくれる先輩たちに迷惑なのではないか」と不安になります。その結果、アシスタントの時点で辞めてしまう人が少なくありません。

人間関係が辛い

人間関係の煩わしさも、美容師が辞めたいと悩む理由の1つです。厚生労働省がまとめた『平成27年度生活衛生関係営業経営実態調査報告』によると、1施設で働くスタッフの人数は平均2.6人であり、美容室の多くは小規模だということがわかります。そのため、仕事でミスをしたときなどに悪い噂があっという間に広まってしまうだけでなく、人間関係の修復も難しくなってしまいます。給与形態が歩合制の美容室では、スタッフが常にピリピリしていることも珍しくありません。

このように美容室には小規模な店舗が多いことから、ちょっとしたことで人間関係が悪化し、精神的に辛くなってしまう人もいます。

キャリアが不安

今後どのようにキャリアを積んでいくか、将来のことを考えて不安になり、辞めたいと思ってしまう美容師もいます。前述したように、美容師は給料が少ないうえに体力勝負な仕事です。仕事中はほぼずっと立ちっぱなし、シャンプーをするときには中腰になることもあるため、歳をとって体力が落ちたときにも続けられるか、不安になってしまう人も少なくありません。

美容師が辛くて辞めたいときの対処法

美容師を続けるのが辛くなってしまったときは、初心に帰り、業務の意味や必要性を改めて考えてみましょう。一見単純作業に思える業務の一つ一つに意味があるということがわかり、自信を持って取り組めるようになります。

自分で解決するのが難しい労働環境の問題は、勇気を出して店長やオーナーに相談してみましょう。昔自分たちが苦労してきた分、改善しようと試みてくれる可能性があります。

それでも状況が改善せず、辞めたい気持ちが変わらない場合は、転職を検討しましょう。最近はカット専門店や福祉美容師、フリーランスなど、同じ美容師として働くにもさまざまな働き方があります。美容師自体を辞めたいわけでない場合、こうした選択肢を視野に入れることで解決できる可能性があります。

業務の意味や必要性を理解する

特に美容師1年目の人やアシスタントの人は、一つ一つの業務の意味や必要性を理解したうえで仕事に取り組むことが大切です。その理由は、理解して仕事に取り組むことでスキルが上がり、できることが増えて仕事が楽しくなってくるからです。

たとえば、シャンプーをする意味は、カットしやすくしたり、髪の癖を見極められる状態にしたり、お客さんをリラックスさせたりすることにあります。そのため、シャンプーはお客さんの理想の髪型を作るためには欠かせないものです。

このように業務の意味や必要性を理解すると、その業務に丁寧に取り組むようになります。その結果スキルアップにつながり、自信や希望を持って仕事に取り組めるようになります。

店長やオーナーに相談する

待遇や人間関係などで悩んでいることがあれば、店長やオーナーに相談してみると解決する場合があります。店長やオーナー世代は、自分たちが厳しい環境で働いてきたからこそ、問題点を改善しようと動いてくれる可能性があるからです。労働時間や給料、人間関係など、改善してほしいことがあれば勇気を出して相談や交渉をしてみましょう。店長やオーナーが問題点に気付いていないだけかもしれないため、相談・交渉してみて損はありません。

転職する

上記の2つを実践してみても、辞めたいという気持ちが変わらない場合は、ほかの職業やほかの美容室に思い切って転職することをおすすめします。美容師の知識や経験を生かして転職できる職業はたくさんありますし、ほかの美容室に転職することで、美容師自体は続けられることもあるからです。たとえば手荒れが原因で美容師を辞めたい人でも、カット専門の美容室に転職すると薬剤を使わないため手荒れが治まり、問題なく美容師を続けられるといったケースがあります。

転職を考えている人は、このように美容師の知識や経験を生かせる職業を選ぶのがおすすめです。おすすめの転職先は後述していますので、ぜひ参考にしてみてください。

今の美容室を辞めるかどうかの判断基準やタイミング

スタイリストになるための教育体制が整っていない場合や、悪質なパワハラをしてくる人がいる場合は、店長やオーナーに相談しても改善が見られなければすぐに辞めましょう。

ただし、あなたがアシスタントでまだ踏みとどまれる状況であれば、スタイリストになってから辞めることをおすすめします。アシスタントのまま辞めてしまうと、ほかの美容室に転職したとしても、また1からのスタートになってしまうためです。したがって、スタイリストになれるまでは、無理のない範囲で踏みとどまったほうが賢明です。

教育体制が整っていない

スタイリストになるための教育体制が整っていない、スタイリストデビューする基準が定まっていない、いつまで経っても雑用しかさせてもらえないような美容室の場合は、転職することをおすすめします。そのような美容室にい続けても、美容師として成長することはできません。最近は教育体制に力を入れ、早くスタイリストデビューさせてくれる美容室もあるため、そのような美容室に転職するのがおすすめです。

パワハラされる

悪質なパワハラをしてくる人がいる場合はすぐに辞めましょう。パワハラを受け続けていると、心身の体調を崩す恐れがあります。一番大切なのは、あなたの体と心の健康です。殴る蹴るなどの暴力を振るったり、人格を否定するような暴言を吐いたりしてくる人がいる場合は、一刻も早く辞めましょう。

パワハラについてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひお役立てください。

関連記事:

パワハラ被害にあったらどこに相談すべき? 窓口への相談方法を解説

パワハラ上司になりやすい人とは? 6つの特徴とその対処法

交渉しても労働環境が改善されない

上述した教育体制やパワハラといった労働環境の改善を店長やオーナーに相談・交渉した場合、改善の兆しが見られなかったら辞めましょう。なかには相談や交渉次第で改善してくれる美容室もあります。いつまで経っても改善される様子がなければ、我慢せずに辞めたほうがよいでしょう。

スタイリストになってから辞める

あなたがアシスタントで、もし上述した労働環境などが許容範囲内であれば、スタイリストになるまでは踏みとどまることをおすすめします。アシスタントのままほかの美容室に転職すると、また1からのスタートになってしまうからです。スタイリストになれば、ほかの美容室に転職しても即戦力として活躍できます。

新人のときに大変な思いをするのは美容師だけではありません。もしあなたが続けられる状態であれば、一層の努力をして早くスタイリストデビューを目指しましょう。

美容師の経験を生かせるおすすめの転職先

ここでは美容師として培った知識や経験を生かせる職業を紹介します。高齢化が進む日本で、今後も需要が高まるとされる福祉美容師や、美容師時代に使用してきた道具や薬剤に関わる美容メーカーや美容問屋であれば、無理なく転職できます。おしゃれ好きな人には、美容師と同じく、人の容姿を美しくするのをサポートするアパレル業がおすすめです。

福祉美容師

これからの時代、特におすすめなのは福祉美容師です。福祉美容師は、介護施設や病院、利用者の自宅などに出向き、介護が必要な人に対してカットやカラー、パーマやシャンプーなどを行います。高齢化により福祉美容師の需要は年々高まってきており、美容師の資格をそのまま生かすことができるため、美容師資格を持つ人におすすめの職業です。

美容メーカー

美容師として美容用品や美容機器を使用してきた経験を生かせる美容メーカーも、美容師のおすすめの転職先の1つです。美容師は仕事上、シャンプーやアイロン、ドライヤーなどの特徴や使い方を誰よりも熟知しています。美容メーカーでは、美容師として培ったこうした知識や経験を生かすことができます。

美容問屋

美容師時代に関わった経験のある美容問屋もおすすめです。薬剤や道具などの特徴だけでなく、美容師の立場や気持ちもわかるため、商品の採用につなげることができます。

美容問屋へ転職すると、このように美容師時代の知識と経験を大いに生かすことができます。

アパレル業

おしゃれ好きの人にはアパレル業がぴったりです。美容師と同じく、人の容姿を美しくするためのサポートができます。ブランドによってテイストや規模が大きく異なり、種類も多いため、自分に合った職場を見つけられます。接客・販売だけでなく、マーケティングやバイヤーなど職種も豊富にあり、おしゃれ好きな人にはぴったりな仕事です。

多様化する美容師の働き方

今までの美容師の働き方と言えば、美容室に雇われるか、独立して店を構えるかの2択でした。しかし、近年になりフリーランスとして働く美容師が増えてきています。フリーランス美容師が働く場所としては主に、ルールに縛られることなく比較的自由に働ける面貸しサロンと、初期費用をかけずに働ける業務委託サロンの2つが挙げられます。

面貸しサロン

面貸しサロンとは、店内の空いている場所をフリーランス美容師に提供し、フリーランス美容師がその場所をレンタルして施術を行う形態の美容室です。セット面をレンタルすることから、ミラーレンタルとも呼ばれています。

美容師は使用料を美容室に納めたり、道具や資材、集客など、場所以外は自分で準備したりする必要がありますが、施術代は自分で自由に設定できます。美容室と雇用契約を結ぶ必要はありません。

そのため、面貸しサロンは、準備や集客の手間がかかっても、自分のやり方で仕事がしたい、自分の都合に合わせて働きたい、人間関係に縛られず自由に働きたい、といった人に向いています。

業務委託サロン

業務委託サロンとは、フリーランス美容師が業務委託契約を結び、そのお店のスタイリストの1人として働く形態の美容室です。

美容師は美容室と業務委託契約を結ぶため、その美容室の営業時間やルールなどは守る必要があります。ただし、給料は歩合制で、道具や資材はその美容室にあるものを使用できます。

そのため、業務委託サロンは、初期費用をかけずに働きたい人におすすめです。

美容師を円満退職する方法

美容師が円満退職を成功させるためには、美容室側の事情や気持ちを理解してあげることが大切です。退職の意思は半年前までに申し出て、繁忙期の退職は避け、引き継ぎやスタッフの補充を美容室が余裕を持って行えるようにしましょう。退職理由もポジティブなものにすると、応援してもらえる可能性が高くなります。

それでも理不尽な引き止め方をされた場合は、退職代行を利用することを視野に入れましょう。

ポジティブな退職理由にする

退職理由はポジティブなものにしましょう。ポジティブな理由にすると、美容室側が退職を引き止めにくくなったり、応援しようという気持ちになったりする可能性があるからです。たとえば「退職後に◯◯をしたい、学びたい」「こんなキャリアを歩んでいきたい」など、前向きな言葉でしっかりと伝えましょう。ここで逆に美容室への不満を伝えてしまうと、退職できたとしても退職する日までの期間、気まずくなってしまいます。そのため、退職理由はポジティブで応援してもらえるようなものにしましょう。

1年〜半年前までに申し出る

業務や顧客の引き継ぎ、スタッフの補充のことを考え、退職の意思は1年〜半年前までに伝えることをおすすめします。半年以上あれば引き継ぎやスタッフの補充を余裕を持って行うことができ、円満退職できる可能性が高くなります。

8月と12月の退職は避ける

退職の時期が、お盆や年末を含む8月や12月になることは避けましょう。この2ヶ月は美容室が1年で最も忙しくなる時期です。繁忙期に辞めると、人手不足になり迷惑をかけてしまう可能性があるため、円満退職できない恐れがあります。そのため、できる限り8月と12月以外に退職することをおすすめします。

場合によっては退職代行を利用する

辞めたくても辞めさせてもらえない、パワハラを受けていて言い出せない、といった場合は、退職代行を利用するという選択肢があります。美容室を退職する際に「ここまで育ててやったのに」「人手不足だから辞めるな」など、理不尽な引き止め方をされるケースは珍しくありません。そうした場合は退職代行を利用すれば、美容室側とやりとりすることなく、スムーズに退職できます。

当組合が運営している退職代行ニチローでは、美容室への退職連絡から退職日の調整、有給消化の交渉や書類のやりとりに至るまで、退職に関わることをすべて代行させていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

この記事では、美容師が辞めたくなる理由やその対処法、退職の判断基準やおすすめの転職先、フリーランスとしての働き方や円満退職の方法を紹介しました。

美容師は人を幸せにできる素敵な職業です。辞めたくなってしまったときはこの記事を参考に、今の職場で状況を改善できないか、転職を検討する場合はどんな仕事なら自分に合っているのかを、じっくり考えてみてください。