労働環境調査

イメージキャラクターのニッチロー氏へインタビュー~仕事や環境を変えることは、甘えでも逃げでもない~

インタビュアー:本日はお忙しい中、お時間を頂きましてありがとうございます。ニッチローさんには今回、仕事論や仕事へ向き合うことについてお伺いしたいと考えています。本日はどうぞよろしくお願い致します。

ニッチローさん:こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します!

日本労働調査組合の仕事を受けた理由

インタビュアー:今回日本労働調査組合のお仕事をなぜ受けていただけましたか?労働組合って、あまり関わり合いがあるわけではないかと思いますが、、、。

ニッチローさん:名前ですね。

ニッチローさん:日本労働調査組合だけだったら、僕もちょっと合わないんじゃないかと(笑)もっとこう真面目な、本当の野球選手かなと思うんですけど。ただニチロー(略称:日労)って付けられたら、これはむしろ他に誰がいますかと。あと僕もその退職や独立の経験があるというところもありますね。

退職代行についてニッチローさんが思うこと

インタビュアー:私達のサポート業務の中で行う退職代行サポートについてなんですが、まだ世間一般的には退職を代行してもらうことをいいように捉えられていない部分が正直あります。退職代行について、ニッチローさんはどう思われていますか?

ニッチローさん:僕はそこまで悪いイメージを持ってないです。だけど、代行っていう言葉の響きが何か良くないのかな。退職サポートとか。そんな感じに考えた方がいいのかなと思います。何か代行してもらったりとか、責任とってないよとかって、特に日本ではそういうことを思うんじゃないでしょうか。僕は退職自体にマイナスなイメージはないと思っています。どうしても自分で退職を言い出せない方がいらっしゃると思うんです。精神的には辛かったり、心が病んでいる方もいらっしゃると思いますし、だから退職の手続きってすごく一番ストレスだと思うんですよ。やっぱり、どんなことでも最後別れるときは精神的に負荷が掛かりますよね。。。(意味深)

ニッチローさん: しんどい事が多いし、精神的にもしんどい、かなりエネルギーを使うと思うんですよ。やっぱりそのエネルギーを持っている方はいいんですけど、もうそこまでに削られている方は、もうエネルギー残ってないと思うんですよね。だからやっぱサポートしてくれることは、とってもありがたいことですし、次への準備もできるというか。マイナス面をサポートしてもらうという考えでいたら、すごく気が楽になる。とてもいい仕組みなので、もっと前からあってもよかったのではと思います。

インタビュアー:そうですね。日本人って本当にいい意味でも悪い意味でもとても真面目でして、ちゃんと最後までやろうよ、というところが結局言い出せずにずっと続けて、精神的に辛くなっている方も結構いらっしゃるので、そういったところをサポートしていければと考えております。

ニッチローさん:やっぱりサポートがいいですね。退職サポート。

ニッチローさんが独立を選んだきっかけ

インタビュアー:ニッチローさんは元の事務所に7年ほどご在籍されて、お仕事的にも安定していたかと思うのですが、今回どうして独立という形で環境を変えることを選ばれたのでしょうか?

ニッチローさん:自分の中で40歳を過ぎてから、また仕事の内容っていうのは変わってくるだろうなっていうのがありました。今までが、各地で営業があって、ネタを披露するっていう、毎日そういう仕事をしていましたけども、ちょっと年齢が上がってくると、そればっかりがずっと続いてくってことはないだろう。そう思っていて、ここにきてコロナということがあって、仕事が全くなくなったときに、このタイミングなんだと。このタイミングで独立して、もっと自分の、本当にやりたいことを楽しむことがいっぱいできるって思ったんですよね。もちろん、今までの積み重ねがあったからこそだと思うんですけど、ある程度は今までやってきたっていう、なんていうんですかね、自信といいますか、それがありますので、次の段階に行かないと、多分取り残されて消えていってしまうから、僕なんて偽物ですから、もともと(笑)それで次の段階を考えていまして、独立しかないかと。他事務所に移るとか、そういうことは考えず、もし事務所を辞めるのであれば独立、ということを考えていました。もともと、前の仕事を辞めて芸人になったときを考えれば、あの時の方が不安定なときだったですし、「仕事もない」という経験がありますから、やっぱりそこからもう9年ですか、芸人をやってきて、その積み重ねにあるので、実際にはその怖さはそこまではなかったです。

環境を変えたことからの心境の変化

インタビュアー: 独立したことで、環境や心境にも大きな変化はありましたか?

ニッチローさん:独立したことで自由度はもちろん高くなっています。ただ、自由だからこそ覚悟を持って生きなきゃいけない。事務所に所属しているときは、事務所が色んなところで、私の知らないところでも支えてくれていたと思います。独立したら、今まで繋がりができた人が支えてくれているので、うん、なんかすごいワクワクですね。何かこれまでと違う仕事がいっぱいあったりします。そういう方たちとのお仕事にはワクワクしかないです。自分たちも楽しい仕事がしたいっていうところが、そこがやっぱり僕の原点で芸人になったのもありますから。

今、仕事で悩んでいる若い世代へ伝えたいことは何ですか?

インタビュアー:わたしたち日本労働調査組合にご相談いただく方達に若い世代も多く、コロナ禍で新卒入社して、すぐにリモートワークという方も結構いらっしゃって、自分が思い描いていた人生、ビジネスライフと全然違うなっていう、そういう相談も多いです。そういった方達に何か伝えたいことだったり、ニチローさんのご経験からだったり、お考えの中で伝えられることを教えていただけますでしょうか。

ニッチローさん:最初から理想通りっていうのは多分ないと僕は思っているので、今まで僕もそうでしたけど、仕事でこうしたいってあったのですけど、結局、全部が全部は思い描く理想にはなってないです。多分、皆さん新卒や若い時代って、なんか違うなって思うと思いますし、会社でこんな感じなんだ、社会ってそんな感じなんだっていうのは、でもそれはそれでいい勉強だと思うので、そこをしっかり感じてもらった方がいい。その自分の理想とのギャップていうのを、そこを感じた上で自分がどうするかを決めた方が、作っていった方がいい。その上でどうしても自分が難しいと感じたなら、仕事を辞めるという選択肢もありなんじゃないかと思います。

インタビュアー:わたしたち日本労働調査組合も仕事を安易に辞めるという選択をしてもらいたくないんです。一回踏みとどまって、すぐ環境を変えるのではなく、自分で環境を作っていくということをアプローチさせて頂いています。それでも、どうしても変えられないとか、精神的に苦しい耐えられないとかであれば逃げる。逃げるっていう表現がだめですね。

ニッチローさん:いやいいと思いますよ。逃げたいときは逃げる。もし火事があったら自分の身に危険が及んだら逃げるのは本能ですから。本当にこれはダメだと思ったら逃げなきゃダメですよ。逃げるという言葉、僕は好きですよ。ただ逃げるではなく逃げ方が大事なんじゃないかと。逃げ方の中身だと思います。

インタビュアー:次にどう生かすかっていうことですかね。

ニッチローさん:そうですね。まず考えて次にどうするか、考えて逃げないと、ただ逃げたところでまた逃げるしかない。ずっと逃げることになってしまいますから。

インタビュアー:たしかに同じ壁にぶち当たりそうですね。

ニッチローさん:壁は超えられなかったとしても、次の壁を見えるようにして、次回は壁を超えるようにしなくてはいけないと思います。

20、30、40代での仕事との向き合い方

インタビュー:ニッチローさんは40代になられて、それぞれ20代、30代、40代のときってやっぱりお仕事への向き合い方だったりとか真剣度とか覚悟とかって、多分いろいろ変わってきたと思うんですけど、20代から30代、30代から40代で、変わられたこ、そういったことを教えていただけますでしょうか。

ニッチローさん:20代はもうただ楽しいだけだったかもしれないですね。楽しいだけで生きていたというか。まあ考えてはいたと思うんですけど、もちろんちゃんとしなければと思っていましたけど、何かフワフワした感じでしたね。飲食店で同じような仲間がいて、仕事が終わって、飲んだり、ワイワイしたり、飲んだり、そんな毎日でした。だから楽しいだけっていうのはやっぱり瞬間的だと思います。

ニッチローさん:30代になって芸人を志して、芸人になっていくんですけど、楽しいだけじゃ、それはないんで。「楽しむこと」が今度はできてくる。楽しいは一瞬ですけど、楽しむはどんなときでも自分の気持ちや、苦しいときがあっても楽しめることができれば、、、それが20代と違う。20代は楽しいだけで、一瞬の楽しみがずっと続いたような感覚ですね。30代からはやっぱり一個一個楽しむことが出来る。「楽しむ」は自分きっかけで、「楽しい」は相手きっかけというか、周りが楽しいんで自分も楽しいんですよ。捉え方でしょうね、はい。楽しい、楽しむのってなんか同じ感じですけど、これが違うなと思ったときですから、それが芸人となった30代のときからですね。

ニッチローさん:40代になってくると、もっと次の仕事を考えていって、自分がどうしたらいいのかと考えて、深く考える。ただ、変わらないですよ。楽しむというのが一番の大前提になっている。そうするためには何をしてって、周りに仲間がいるわけです。仲間といろいろ考えているのが40代です。

若い時のニッチローさんに掛けたい言葉があれば教えてください。

インタビュアー:ちなみに若い時のご自身に、例えば20代のお仕事始められたタイミングだったりとか、社会人なり立てのタイミングでのご自身に、どんな言葉をかけたいですか?

ニッチローさん:イチロー選手に似ているから、ものまねを始めなさいって、そのときからやっていれば、かなりに芸歴になっていますね。まだその時代はオリックス時代のちょっと前でしたから、まずそこを伝えたい。いまからやっとけと。僕の芸人人生は30過ぎてからだったので。そこからメジャーに行って、どんどん上がっていったので、早くやっていたらどんな感じかなっていうのは自分の中ではありますね。早いことに越した事はないと思いますし。僕みたいに30過ぎてからより、若いときの方がいろいろと背負っているものも少ないですしね。やるべき事を見つけられるスピードとか感覚。観察力っていうのを持ちなさいって言いたいんですけど、分かんないでしょうね(笑)

ニッチローさん:若いときにそんなこと言ったって、正直難しいですよね。みんな言いますけど、そのときに好きな有名な人から、目標とか好きなこと、タイミングよく言ってもらえることもないじゃないですか。若い頃はどこに遊びに行こうかっていうタイミングですからね。環境にも流されやすいですし、そこで自分を持てっていうのもなかなか難しいと。もちろん、持っている人がより上に行くと思うんですけど。

精神的に辛い状況の方に声を掛けるとしたら、どんな言葉を掛けますか?

インタビュアー:現在全国でうつ病と診断されていらっしゃる患者さんが100万人以上いらっしゃって、6割が仕事上で人間関係あるいはストレス、いじめとかもそうですね。そういった方々に対して、ニッチローさんから伝えられる言葉は何かございますでしょうか。

ニッチローさん:僕はまだ精神的にうつ状態になったことはないですから、本当の意味で同じ立場に立つことは出来ないかもしれませんが。どちらにしても、やっぱり自分の人生ですから。職場が自分の人生を何かしてくれるわけでもないですし、やっぱり自分を大事にしてもらいたい。一番大事なのは、まず自分だと理解してもらいたい。自分があって仕事がある。みんな分かっている部分かもしれませんが、気付くと仕事が上にきちゃって、自分をおろそかにしちゃう。まず自分をしっかり甘やかしたらいいって、自分をもっと大事にしてもらいたいと思います。仕事って絶対的に他人と関わる。僕はそうじゃないと仕事って面白くないと思いますし、1人でやっていても楽しめないかもしれない。人と関わるからこそ、気持ちを理解してくれる相手もいるんじゃないかと思います。

今の環境を変えることが甘えや逃げじゃない。

インタビュアー:最後に、今の環境を変えることを甘えや逃げと考えている方へアドバイスをお願い致します。

ニッチローさん:甘えとか逃げじゃなくて、それをもう進化だと捉えたほうがいいです。甘え方もそうですけど、逃げ方もそうです。やはりそこに自分がちゃんとした考えの筋が通っているものがあれば、僕は環境を変えるとか退職することが逆にプラスになる。でも環境が変わったから自分の中身が変わるってことは、絶対ない。自分はどこまでいっても自分。やっぱり今のことも考えて、深く考えてから、自分がどうするかっていうのを自分なりでいいから、相談しながらでもいいから答えを出すことが大事かなと僕は思います。それってもう、甘えとか逃げではなく、自分が進化していることに繋がるんじゃないでしょうか。

インタビュアー:本日はたくさんの質問にお答えいただき、貴重なお言葉を頂きありがとうございました!
これからも引き続き日本労働調査組合のイメージキャラクターとして、ご協力よろしくお願い致します!