比較的高収入なシステムエンジニアですが、実際は「残業続きの激務で精神的にも肉体的にも限界…」「スキルアップのための勉強やくせのある人間関係が辛い…」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか? そんな状況では辞めたくなるのも無理はありません。
この記事を読めば、あなたがシステムエンジニアを辞めるべきか否かや、転職する際の不安の解消法やポイントがわかります。システムエンジニアとして培った経験を生かせるおすすめの転職先も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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システムエンジニアを辞めたいと思う理由4つ
システムエンジニアは、納期の短さや厳しさから激務であるにもかかわらず、新しい言語や技術の勉強も日々欠かすことができません。それを考慮すると給料も割に合わず、過酷な仕事だと言えます。また、コミュニケーションが苦手な人たちとチームで仕事を進めるのが苦痛に感じる人もいます。
システムエンジニアには、こうした理由から辞めたくなってしまう人が少なくありません。
納期が厳しく残業が多い
システムエンジニアの仕事は納期が厳しく、夜遅くまで残業をしなければ終わらないことがほとんどです。
その原因としては、クライアントの要望に応えるために、会社がそもそもの納期を短く設定していること、納期直前の仕様変更や、アップ後の不具合に対応しなければならないことなどが挙げられます。
こうした緊急を要するトラブルに対応していると、自分の仕事が進まないため、残業や休日出勤をして仕事を片付けなければならなくなります。月の残業時間が100時間を超えることや、納期前に徹夜することも珍しくありません。また、みなし残業のことを入社するまで教えてもらえなかったり、鬱や過労になってしまったりする人もいます。
このようにシステムエンジニアには、納期の厳しさと残業の多さから精神的・肉体的に限界を感じたり、将来が不安になったりして辞めたくなる人が多く見受けられます。
仕事と勉強の両立が大変
新しい言語や技術が次々に生まれるIT業界で、システムエンジニアが生き残っていくためには、情報やスキルのアップデートが欠かせません。そのため、仕事をこなしながら自分で日々勉強をする必要があり、休日には勉強会に参加することもあります。
こうした情報やスキルをアップデートするための勉強と、上述したような激務を両立させようとして心身ともに疲弊し、辞めたくなってしまうシステムエンジニアも少なくありません。
仕事量と給料が見合っていない
給料が割に合わないという理由で辞めたくなるシステムエンジニアも多くいます。
システムエンジニアは残業が常態化しているにもかかわらず、みなし残業として残業代を出さない会社も少なくありません。さらに、努力の成果が数字として表れる営業職などと異なり、成果が見えにくいゆえに評価方法が曖昧なことも、システムエンジニアの給料が割に合わないと言われる原因だと考えられます。
厚生労働省が実施した『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、システムエンジニアの平均年収は520万円(※)と、比較的高収入の部類です。しかし、みなし残業の会社では、時給に換算するとアルバイトの時給より低くなってしまうこともあります。
このように仕事量に見合った給料がもらえないことも、システムエンジニアを辞めたくなる理由の1つです。
※従業員数が10人以上いる企業のソフトウェア設計者の「決まって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与その他特別給与」で算出
くせのある人間関係
システムエンジニアには、性格にくせのある人やコミュニケーション能力が低い人が珍しくありません。それは、システムエンジニアはエンジニアとしてのスキルさえ高ければ、採用されることが多いからです。
たとえば、隣で仕事をしているのにもかかわらず、コミュニケーションが苦手なため、わざわざメールで連絡や指示をしてくる人もいます。また、システムエンジニアは社内の人間関係で苦労するだけでなく、客先常駐の仕事でその会社の人間関係にも振り回されてしまうことがあります。
チームワークが大切なシステムエンジニアの仕事において、このようにくせのある人たちと一緒に働かなければならないことを苦痛に感じ、辞めたくなってしまうシステムエンジニアも少なくありません。
システムエンジニアを続けたほうがよい? 辞めたほうがよい?
システムエンジニアには、上記のような理由で辞めたいと思っている人がたくさんいます。
しかし、悩みがあっても職場を変えたり、上司に相談したりすれば解決できる人は、システムエンジニア自体を辞めてしまうのはもったいないため、続けることをおすすめします。
その一方で、情報・スキルのアップデートやコミュニケーションが苦手な人は、職場を変えても解決する可能性は低いため、辞めたほうが無難です。
続けたほうがよい人
続けたほうがよいのは、システムエンジニアという仕事自体は好きで、かつ高い技術力を持っている人です。そういう人は仕事上で悩みがあったとしても、上司に相談したり、職場を変えたりすることで解決できる可能性が高いと考えられます。
そのため、システムエンジニア自体は辞めずに続けることをおすすめします。
システムエンジニアの仕事自体は好き
激務で大変だけれど、システムエンジニアという仕事自体は好き、という人は続けることをおすすめします。仕事は人生の大半の時間を費やすものであるため、せっかく好きなことや自分に向いていることができているのであれば、それをやめてしまうのはもったいないからです。
「好きこそものの上手なれ」ということわざがあるように、システムエンジニアという仕事自体が好きなのであれば、新しい言語や技術の勉強が苦痛になりにくく、今後徐々にスキルアップできる可能性があります。
したがって、激務だけれどシステムエンジニアの仕事内容は好き、という人は、可能な限り踏ん張ってみてください。
高い技術力を持っている
エンジニアとして高い技術力を持っている人も続けることをおすすめします。人材不足のIT業界において、スキルが高い人は需要が多く、同業種には好待遇で転職できる可能性があります。
そのため、高い技術力を持っている人はシステムエンジニア自体は辞めず、職場を変えることをおすすめします。
職場を変えれば悩みが解決できる
給料や人間関係など、職場を変えることで解決する可能性がある悩みが原因で辞めたいと思っている場合は、システムエンジニア自体は続けたほうが賢明です。そうした悩みは、職場を変えたら解決できることも多いからです。IT業界は人材不足のため、売り手市場が続いており、転職先を見つけるのも難しくありません。
そのため、職場を変えれば悩みが解決できそうな場合は、システムエンジニア自体は続けることをおすすめします。
辞めたほうがよい人
反対に辞めたほうがよいのは、IT業界で必須とされる、情報やスキルのアップデートが苦痛に感じる人です。また、技術力は高くてもコミュニケーション能力が低く、チームで働くことが苦手な人も、システムエンジニアを続けていくのは難しいと考えられます。
情報やスキルのアップデートが苦痛に感じる
情報やスキルのアップデートが苦痛に感じる人は、システムエンジニアには向いていません。絶えず進化するIT業界で活躍し続けるためには、新しい言語や技術のアップデートが欠かせないからです。
たとえば、FORTRANやCOBOL、LISPなどの古い言語しかできなければ、クライアントのニーズに応えられず、使いものにならなくなってしまいます。
情報やスキルのアップデートを苦痛に感じ、いつまで経ってもスキルアップできない人は辞めたほうがよいと言えます。
コミュニケーションが苦手
人とのコミュニケーションが苦手な人も、システムエンジニアには向いていません。システムエンジニアは、社内のチームメンバーやクライアントなどの関係各所と連携を取りながら進めていく仕事であり、コミュニケーション能力が必要不可欠だからです。
クライアントのニーズのヒアリングや商品提案、プロジェクトの進捗状況の共有やスケジュール調整、トラブルやクレームへの対応など、さまざまな場面で高いコミュニケーション能力が要求されます。
したがって、技術力はあってもコミュニケーションを苦痛に感じる人や、チームで働くことが苦手な人は辞めたほうが無難です。
辞めるべき会社の特徴4つ
辞めたくなるのはシステムエンジニア側だけの責任ではありません。多くの場合、会社側にも社員が辞めたくなるような特徴があります。
いつまで経っても簡単な業務しか任せてもらえない、労働環境を整えず社員を大切にしていない、というような会社は、上司に相談したうえで、状況が改善される見込みがなければ辞めましょう。
また、使用しているプログラミング言語が古かったり、SNSの使用を禁止したりして社員の可能性を狭めている会社も、辞めたほうが無難です。
仕事内容が単調でスキルアップできない
誰にでもできる業務や、いつも同じ業務ばかりさせるような会社は辞めたほうがよいと言えます。さまざまな業務に挑戦し、経験を積まなければスキルアップすることは難しく、やりがいも見出せません。
意欲と技術力はあるにもかかわらず開発案件に携わらせてもらえなかったり、客先常駐の仕事で客先の言語が古かったりすると、スキルアップするのは難しいと考えられます。
いつまで経っても単調な業務しかさせてくれない会社は、自分のキャリアのために辞めたほうが賢明です。
社員を大切にしない
社員を大切にしてくれない会社も辞めましょう。社員が仕事で力を発揮するためには、労働環境が整えられていることが非常に重要です。
たとえば、専門知識のない上司がクライアントの顔色ばかりうかがい、現場にすべてのしわ寄せが来ている、人手不足や日付をまたぐ残業が常態化している、という状況であれば退職を検討しましょう。昇給や昇格がめったにない場合はなおさらです。
システムエンジニアは売り手市場が続いており、社員の労働環境を整えている会社も増えてきているため、次はそのような会社を選ぶことをおすすめします。
古いプログラミング言語を使用している
古いプログラミング言語を使用している会社で働いていると、システムエンジニアとしての将来性が心配になってきます。古い言語ばかり使用していては、新しい言語が次々に出てくるIT業界で生き残ることは難しいからです。
そのため、FORTRANやCOBOL、LISPなどの古いプログランミング言語を使用している会社で働き続けることはおすすめできません。
SNSの使用を禁止している
SNSの使用を禁止している会社には注意しなければなりません。SNSは、本来であればシステムエンジニアというクリエイティブな仕事には必要なツールです。にもかかわらず「機密情報の漏洩を防止するため」などとうたい、SNSの使用を禁止しているのは、その本当の目的が社員の引き抜きを禁止するためだからです。
SNSからシステム開発のニーズやアイデアを得られることはたくさんあります。特に将来フリーランスになりたい人にとっては、個人のブランディングの観点からも必須なツールです。
SNSの使用を禁止している会社で働いていると、このように自分自身の可能性を狭めてしまうため、転職を検討しましょう。
システムエンジニアが転職する際の不安の解消法
ここまで読み、転職に心が傾いた人のなかには「労働時間や給料の面で、今よりブラックな企業に転職してしまったらどうしよう」「激務と転職活動を並行できる? 」と、不安に思う人もいるかもしれません。 また「この歳で転職するのは厳しいのでは? 」と、年齢を気にする人もいるのではないでしょうか?
しかし、転職エージェントを利用すれば、忙しいシステムエンジニアでも働きながら無理なく転職活動ができ、企業の内部情報も教えてくれるため、ブラック企業を避けられます。また、中途採用のシステムエンジニアに求められるのは、若さよりも即戦力のため、ある程度の技術力さえあれば、年齢は気にしなくても大丈夫です。
転職エージェントを利用する
システムエンジニアは激務のため、特に在職中に転職活動をするときは、転職エージェントを利用するのがおすすめです。転職エージェントを利用すれば、さまざまな企業に精通したキャリアアドバイザーが、転職活動を全面的にサポートしてくれるため、転職の成功率が高くなるからです。
たとえば、自己分析のサポートや経験・希望条件に合った求人の紹介、応募書類の添削や面接練習、企業への推薦や、面接・給料・入社時期の調整まで行ってくれます。優良な非公開求人も多数保有していたり、企業の雰囲気や内部事情も教えてくれたりするため、ブラック企業へ転職してしまう確率や、ミスマッチとなる確立はかなり低いと言えます。
多忙な在職中でも転職活動を効率良く進めるため、また、入社後のミスマッチを防ぐためにも、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
求められるのは即戦力だと理解する
年齢的に転職できるのか不安な人は、システムエンジニアに求められるのは即戦力だと理解しましょう。システムエンジニアは高度な知識や技術が必要とされる専門職のため、転職の際に重要なのは年齢ではなく、クライアントの要望に応える技術を持っているかどうかだからです。
そのため、転職時の年齢に関しては、システムエンジニアの場合はそれほど心配いりません。
ただし、年齢を重ねるごとに、技術力の高さだけでなくマネジメント能力も求められるようになってくる点には注意しましょう。
システムエンジニアが転職活動をするときのポイント
ここまで読み転職を決意した人は、転職活動をする際、転職先でやりたいことを明確にして、入社後のミスマッチを防ぎましょう。
転職エージェントに関しては、IT業界に特化したエージェントを中心に利用しましょう。エンジニアの求人が豊富なうえ、IT業界に精通したキャリアアドバイザーから専門的なアドバイスをもらえるため、転職の成功につながります。
IT業界は売り手市場が続いているため、転職活動では焦らずじっくり取り組むことが大切です。
転職先でやりたいことを明確にする
転職先でやりたいことを明確にしたうえで転職活動に取り組みましょう。何のビジョンも立てずに焦って転職してしまうと、転職先でミスマッチが起こり、結局転職を繰り返すことになってしまいます。
たとえば「前職ではシステムの運用や保守が中心だったけれど、転職したら開発にも携わってスキルアップしたい」など、ビジョンを明確にし、それが叶う会社に応募しましょう。そうすれば転職先でのミスマッチを防ぐことができます。
IT業界に特化した転職エージェントを利用する
転職エージェントは、IT業界に特化したエージェントを中心に利用しましょう。エンジニアの求人が豊富で、これまでの経験や技術を生かして働ける転職先が見つかる可能性が高くなります。
また、幅広い職種を扱う転職エージェントとは異なり、IT業界に精通しているキャリアアドバイザーから専門的なアドバイスがもらえたり、システムエンジニアとしての自分の市場価値を確認できたりもします。
転職の成功率を上げるために、IT業界に特化したエージェントを中心に利用してみましょう。
システムエンジニアの経験を生かせるおすすめの転職先
それでは、システムエンジニアにおすすめの転職先にはどのようなものがあるのでしょうか?
システムエンジニアは専門性が高い職種のため、その経験を生かして働ける仕事に転職するのがおすすめです。
今までより精神的・肉体的にゆとりを持って働きたい人は、社内SEやWebエンジニア、技術力やコミュニケーション能力に自信のある人は、ITコンサルタントやフリーランスが向いていると考えられます。
社内SE
社内SEはシステムエンジニアに人気の転職先です。それは対顧客のシステムエンジニアと比べ、納期にゆとりがあるため残業が少なく、労働環境が良いからだと考えられます。
社内SEは、自社の戦略に基づきシステムを開発・運用・保守し、社員の業務をシステムの面からサポートする仕事です。IT知識が乏しい企業では、特に重宝される傾向があります。
対顧客のシステムエンジニアよりゆとりを持って働けるため、激務を避けたい人や子育て中の人におすすめの仕事です。
Webエンジニア
システム開発会社(Sler)ではなく、Web制作会社でWebエンジニアとして働くという選択肢もあります。大企業や伝統のある企業が顧客の中心であるSlerと異なり、Web制作会社の顧客は中小企業や個人事業主などであるため、比較的自由な社風の中で、今までの経験を生かしながら働けます。
Web制作会社では、エンジニアがある程度自由にシステム開発できますが、その代わり仕様が途中で変更になることがよくあり、柔軟かつスピーディーな対応が求められる点には注意が必要です。
Webエンジニアは、このように中小企業や個人を相手に、柔軟なシステム開発をしたい人におすすめの仕事です。
ITコンサルタント
システム開発はしたくないけれど、IT関連の仕事がしたいという人には、ITコンサルタントがおすすめです。ITコンサルタントは、システムエンジニアが開発したシステムをクライアント企業に導入提案する仕事のため、システムエンジニアの経験を大いに生かせます。
クライアント企業にヒアリングしてIT戦略を策定し、システムの見直しや新システムの導入提案などを行うことで、経営課題を解決するのがITコンサルタントの役目です。
このように、システムエンジニアより上流の工程を担当し、経営陣とやりとりする必要があるため、技術力だけでなく高いコミュニケーション能力やプレゼン能力がある人におすすめです。
フリーランス
技術力が高い人や自由な働き方をしたい人には、フリーランスになるという選択肢もあります。フリーランスは、自分の得意分野を選んで仕事ができ、高単価な案件にも出会いやすいうえ、スケジュール調整もしやすくなります。
ただし、高い技術力を持っていることが前提です。それに加え、案件を自分で探したり、クライアントと1対1でやりとりしたりする必要があるため、営業力やコミュニケーション能力も欠かせません。
このようにフリーランスは、技術力や営業力、コミュニケーション能力が高い人におすすめの仕事です。
まとめ
この記事では、システムエンジニアが辞めたいと思う理由や、転職するか否かの見極め方、転職に際しての不安の解消法などを紹介しました。
IT業界では人材不足により、売り手市場が続いています。自分がシステムエンジニアを続けたほうがよいのか、辞めたほうがよいのかをよく見極め、転職活動をする際は、自分に合った会社を焦らずじっくり探してみてください。