国家資格であり就職先に困らない薬剤師ですが、実際は仕事量の多さや責任の重さ、それに見合わない給料などが原因で、辞めたいと思っている人もいるのではないでしょうか? そうした状況では、自分が薬剤師に向いていないのだと思い込み、辞めたくなってしまうのも無理はありません。
しかし、実は薬剤師の悩みは、職場を変えるだけで解決できるものがほとんどのため、薬剤師自体を辞めてしまっては後悔する恐れがあります。
この記事を読めば、薬剤師が辞めたいと思う職場ごとの理由や対処法、転職・休職に踏み切る目安や不安の解消法までわかります。薬剤師を辞めたいと思ったときは一旦立ち止まり、ぜひ参考にしてみてください。

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薬剤師を辞めたいと思う理由7選
薬剤師は人手不足のため、1人当たりの仕事量が多く、それに伴い残業も多くなる傾向にあります。さらに、1つのミスが患者の命や健康に大きく関わるため、責任も重大です。また、こうした実情に給料が見合っていないことや閉鎖的な人間関係、想像と違う仕事内容に薬剤師としての存在意義を見出せないことなども、薬剤師が辞めたくなる大きな理由となっています。
仕事量が多い
薬剤師は人手不足がゆえに、1人当たりの仕事量が多く、労働時間が長くなりがちです。
実際、厚生労働省が公表した『一般職業紹介状況(参考統計表8-1)』によると、令和3年12月時点での薬剤師の有効求人倍率は2.82倍(パートを除く)と、人手不足の状況が読み取れます。これでは調剤と服薬指導で手一杯になってしまい、薬歴は残業して入力せざるを得ません。こうした状況から、体調不良になっても休めないというプレッシャーがかかり、当然有給も取りづらくなっています。
こうした激務から心身の体調を崩し、辞めたくなる薬剤師は少なくありません。
参照記事:厚生労働省ホームページ『一般職業紹介状況(令和3年12月分及び令和3年分)について』
給料が割に合わず昇給も少ない
薬剤師の給料は上述した仕事量の多さと見合っておらず、昇給の機会も少なく、モチベーションが下がってしまう傾向にあります。これは人手不足における人材確保のために、初任給が高く設定されているからです。また、薬剤師の職場は人数が少ないため、管理職のポストが限られていることも原因だと考えられます。
『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、薬剤師の平均年収は約580万円と高収入ですが、その激務や、患者の健康を預かるという責任の重さに見合っていないと言えます。何年も働いているにもかかわらず昇給できなかったり、なかには残業代が支払われなかったりする職場も少なくありません。
このように昇給自体が少なく、昇給したとしてもわずかな額だということから、仕事へのやる気が削がれたり、将来が不安になったりして辞めたくなる薬剤師もいます。
閉鎖的な人間関係
薬剤師は人間関係にも悩まされます。これは、薬剤師が調剤薬局や病院の調剤室など、狭くて閉鎖的な空間で働いているからだと考えられます。また、プレッシャーや責任が大きい仕事のため、雰囲気がどうしてもピリピリしがちです。
そのため、ミスのなすりつけ合いや上司からのパワハラ、部下の反発や患者からのクレームなど、ストレスを避けては通れません。
このように、薬剤師は狭くて閉鎖的な空間で働いているためストレスを感じやすく、また、一度人間関係がこじれると修復も難しくなり、辞めたくなってしまいます。
調剤過誤のプレッシャー
調剤過誤に関する大きな責任と緊張感、プレッシャーも、薬剤師が辞めたくなる大きな原因の1つです。調剤過誤は患者の命や健康に直接関わるため、絶対にあってはなりません。
調剤過誤には、他人の薬を渡してしまう、禁忌の併用薬を見落とす、用量を誤って伝える、といったことが挙げられます。重大な調剤過誤を起こしてしまった場合は、刑事責任を問われる恐れもあります。
こうした1つのミスが命取りとなるプレッシャーに押し潰され、辞めてしまう薬剤師も少なくありません。
仕事内容にギャップや不満がある
薬剤師になる前の想像と、実際の仕事内容との間にギャップを感じて辞めたくなる人もいます。薬の処方に関しては医師の意見が最優先であり、薬剤師はあくまでも、医師の指示がなければ対応できないからです。そのため、処方について医師に意見しても聞いてもらえず、結局ピッキングや調剤、在庫の管理といった単純作業しか行えない職場も多く見受けられます。門前薬局の場合は、その科以外の薬について学ぶ機会もあまりありません。
こうした現状から仕事にやりがいを感じられず、自分の存在意義がわからなくなり、辞めてしまう薬剤師もいます。
教育体制が整っていない
中小の薬局や病院などでは、薬剤師がスキルアップするための教育・研修制度が整っていない職場もあります。これは、人手不足による激務で、新人の研修やフォローにまで時間を割けないためです。
しかし、独学では効率が悪く、学べる内容にも限界があります。さらに、人手不足のなか自分に時間を割いてもらうのは申し訳ないというプレッシャーから、ミスも頻発してしまいます。また、外部での研修はあるけれど、その補助金が出ないという職場も少なくありません。
こうした職場では、スキルアップしたいと思っている薬剤師ほどモチベーションが下がり、辞めたくなってしまいます。
正当に評価してもらえない
自分の仕事を正当に評価してもらえないことも、薬剤師が辞めたくなる理由の1つです。中小の薬局や病院では、評価システムが整っていない職場も少なくないからです。そのため、自分の知識や接客力の向上で売り上げが増えたとしても、上司が正当に評価してくれるとは限りません。
このように、昇給やキャリアアップが見込めず、仕事に対するモチベーションが下がることで辞めたくなってしまう薬剤師もいます。
薬剤師のポジションや職場ごとの悩み
ここでは薬剤師が辞めたくなる理由を、ポジションや職場ごとに紹介します。ポジション別で見ると、新卒の悩みは単純に慣れていないために仕事ができないこと、管理職の悩みは、責任の重さや仕事量の多さです。
職場別で見ると、調剤薬局やドラッグストアで働く薬剤師は、勤務時間の長さやスキルアップの難しさに悩んでいます。病院の調剤室で働く薬剤師の悩みは、給料の低さや夜勤、ほかの医療職との人間関係です。
公務員薬剤師は、人間関係や異動・転勤の多さに悩まされる傾向があります。
新卒
新卒の薬剤師は、仕事ができないことや教育体制が整っていないこと、理想と現実のギャップや患者の対応などに悩みを抱えがちです。これは1年目で単純に仕事に慣れていないこと、また、成長したいという気持ちが強いことが原因だと考えられます。
1年目は覚えることが多過ぎてミスを連発したり、調剤に時間がかかるため患者からクレームをもらったりしがちです。このように新卒の薬剤師は、時間が解決してくれるようなことで悩む傾向があります。
管理職
管理職になると、今度は責任の重さや仕事量の多さで悩むようになります。管理職は通常の薬剤師業務に加え、医薬品の管理や従業員の指導も行う必要があるからです。
給料やキャリアの面ではメリットがありますが、会社のフォロー体制が整っておらず、不安に感じる人も出てきます。
このように管理職は、責任の重さや仕事量の多さにプレッシャーを感じ、悩む傾向があります。
調剤薬局
調剤薬局で働く薬剤師の悩みは、残業の多さや知識の偏り、昇進が難しいことなどです。医療機関に営業時間を左右されることや門前薬局であること、役職のポストが限られていることがその原因です。
近くの医療機関が診療を終えるまでは患者が来る可能性があるため、帰りが夜遅くなる職場も少なくありません。また、門前薬局であれば、どうしてもその医療機関の科に知識が偏りがちです。
このように調剤薬局で働く薬剤師は、残業の多さやスキル・キャリアアップが難しいことに悩んでいます。
ドラッグストア
ドラッグストアで働く薬剤師は、薬剤師である必要性が感じられないことや、勤務時間が長いことに悩みを抱えています。レジでの販売業務が仕事の大半を占めていること、また、夜遅くまで営業しているドラッグストアが多いことがその理由です。
レジは誰にでもできるため「薬剤師としてスキルアップできる職場で働きたい」と思うのは自然なことです。
こうして薬剤師としての存在意義を見出せず、悩んでしまうドラッグストアの薬剤師は少なくありません。
病院
病院の調剤室で働く薬剤師は、給料の低さや夜勤があることに悩んでいます。また、その規模の大きさから、ほかの医療職との人間関係に悩まされることも、病院薬剤師特有の悩みです。
病院薬剤師は、調剤薬局やドラッグストア勤務の薬剤師と比べ、年収が100万円ぐらい低いと言われています。また、夜勤があると体力的にきつく、忙しくて仮眠すら取れないこともあり、子育てとの両立も難しいと言えます。人間関係に関しては、医師や看護師に見下されたり、高圧的な態度を取られたりすることも少なくありません。薬剤師のなかで派閥が存在する職場もあります。
このように病院薬剤師は、給料の低さや夜勤、人間関係に悩まされています。
公務員
公務員薬剤師には、国家公務員薬剤師(麻薬取締官含む)と、地方公務員薬剤師の2種類があります。いずれも行政のさまざまな部署と連携を取る必要があるため、人間関係や頻繁な異動・転勤に悩みがちです。
国家公務員薬剤師は、医薬品の審査や承認、薬価の算定や食品・添加物の基準策定などを行います。地方公務員薬剤師は、公立病院や保健所、役所や研究所などで勤務します。国家公務員薬剤師は全国転勤、地方公務員薬剤師は各都道府県内での2、3年ごとの転勤が避けられません。
このように公務員薬剤師は、さまざまな人たちとコミュニケーションを取ったり、異動や転勤のたびに人間関係を再構築したりすることに、悩みを抱える傾向があります。
薬剤師を辞めたくなったときの対処法
上記のような理由から薬剤師を辞めたくなったときは、まず信頼できる第三者に相談し、客観的な意見をもらいましょう。そのうえで、上司に労働環境や仕事内容に関する改善提案を行うのがおすすめです。
労働時間の長さが原因で辞めたいと思っている人は、収入が下がってもよいのであれば、雇用形態を正社員からバイトやパートに変更するという選択肢もあります。
心身に不調が現れてきている人はいきなり転職するのではなく、まず休職して心と体を休ませましょう。転職については休職後、冷静な状態で考えることをおすすめします。
薬剤師仲間や信頼できる人に相談する
まずは薬剤師として働いている人や信頼できる人に相談してみましょう。悩んでいるうちに視野が狭くなっている可能性があります。話を聞いてもらえるだけで自分の気持ちが整理でき、軽くなるため、まずは相談することをおすすめします。
相談相手が同じ職場の人であれば悩みに共感してもらいやすく、解決策が見つかることもあり、薬剤師以外の人であれば、自分では気づかなかった客観的な意見をくれることがあります。
現状を客観視するために、信頼できる第三者に相談してみましょう。
上司に改善提案をする
次に、労働環境や業務内容に関する改善策を上司に提案することをおすすめします。提案して改善されたらそのまま働き続けられる可能性がありますし、却下されたとしても、転職時の面接で、改善に向けてアクションを起こしたと話すことができます。
たとえば「ミスが起こりにくい環境を作るために、調剤監査システムを導入してほしい」「研修を増やしてほしい」といったことです。上司が聞く耳を持ってくれない、上司では解決できない、というときは、会社に直訴するという方法もあります。
このように転職を見据えても、改善提案はしておいて損はありません。
雇用形態を変える
労働時間が長く、ワークライフバランスに悩まされている人は、雇用形態を正社員からバイトやパートなどに変えるのも1つの手です。
バイトやパートであれば、体と心にゆとりを持って働けますし、異動や転勤もありません。ただし、ボーナスが無くなる、もしくは少なくなるなどのデメリットもあります。
激務で悩んでいる薬剤師は、このように雇用形態を変えることも選択肢に入れてみましょう。
休職する
すでに心身に支障をきたしているときは、すぐに転職するのではなく、まずは休職することをおすすめします。心身が不調だと、辞めるかどうかについて的確な判断ができない恐れがあるからです。また、転職できたとしてもミスマッチが起こったり、本来の能力が発揮できなかったりする恐れもあります。
休職して仕事から一旦離れ、キャリアについてじっくり考える時間を取れば、さまざまな選択肢を検討できます。また、条件を満たせば傷病手当金を受け取ることも可能です。傷病手当金については後述しているため、ぜひ参考にしてみてください。
転職する
上記の4つを実践しても解決できない場合は転職しましょう。実際、労働環境がすぐに改善されることは多くありません。人間関係に悩んでいる場合で、かつチェーン展開している会社に勤めているのであれば、転職ではなくまずは異動を願い出るのも1つの方法です。
薬剤師は人手不足のため、転職は難しくありません。自分が生き生きと働ける職場を探してみましょう。
薬剤師を転職・休職するかどうかの判断基準
それではどのような状態であれば、転職や休職をしたほうがよいのでしょうか? 転職・休職する目安は、信頼できる相談相手がいない、悩んでいる状態が半年以上続いている、心身に明らかな不調が現れているような場合です。こうした状態では働き続けていても良いことはないため、休職や転職を検討しましょう。
信頼できる相談相手がいない
信頼できる相談相手が誰もいない場合は、転職したほうが賢明です。悩みを話せず独りで抱え込んでしまい、ストレスが溜まる一方だからです。また、信頼できる相談相手がいないからといって口が軽い同僚などに相談すると、退職の意思が上司に漏れてしまう恐れもあります。逆に、悩みを話せて理解してくれる人が1人でもいれば、その職場で踏ん張れる可能性も出てきます。
転職を決意したのなら、次は人間関係の良さそうな職場を探すようにしましょう。転職活動で失敗しないためのポイントも後述していますので、ぜひ参考にしてみてください。
半年以上状況が変わらない
薬剤師を辞めたいと悩んでいる状況が半年以上続いている場合も、転職を検討しましょう。半年以上状況が変わらなければ、今後もそれが解決する見込みはほとんどありません。
たとえば、新卒なら半年ぐらい経てば仕事に慣れてくるはずですし、職場環境に関しては半年以上改善されなければ、上司に改善の意思はないと思われます。冬場など、感染症(新型コロナウイルスは除く)が流行する期間、すなわち繁忙期も半年以上は続きません。
したがって、今の悩みが一時的なものか否かを見極めるようにしましょう。
心身に不調をきたしている
すでに心身に重大な不調をきたしている場合は、なるべく早く休職・転職したほうが賢明です。体調が悪化すると物事に対して否定的な考え方をするようになり、仕事や日常生活に悪影響を与える恐れがあります。
たとえば、眠れない、食欲がない、頭痛、腹痛、胃痛、めまい、気分の落ち込み、動悸などの症状が長期的に続いていたら注意が必要です。特に心の不調には周りも気づきにくいため、自分自身で常に気にかけるようにしましょう。
心身にこのような不調が現れた場合は、医師の診察を受け、休職や転職を視野に入れることをおすすめします。
薬剤師が転職・休職するときの不安の解消法
ここまでで転職や休職を決意した人のなかにも「在職期間が短いけれど転職できる?」「奨学金が返せるか不安…」と心配に思っている人もいるのではないでしょうか?
薬剤師は人手不足のため、在職期間が短くても、前職を辞めた理由とそれに対してアクションを起こしたかどうかをしっかり説明できれば、転職にはほとんど影響ありません。前職を辞めた理由は、そのままその転職先を希望した明確な理由としても言い換えられます。
転職や休職に際して金銭的な不安がある人は、傷病手当金や、奨学金の減額返還制度・返還期限猶予制度などを利用することもできます。
在職期間が短くても理由を説明できればOK
1年目で辞めたくなる人も多い薬剤師ですが、在職期間が短くても、辞めた理由やそれに対して改善のアクションを起こしたことを説明できれば大丈夫です。薬剤師は人手不足であり、職場側は特別問題のある人でなければ採用したいと思っているからです。
たとえば、前職で
「調剤過誤防止のために調剤監査システムを導入してほしい」
「独学では学べる内容に限界があるため、スキルアップのために定期的な研修を実施してほしい」
と提案したが聞き入れてもらえなかった、などと、改善のアクションを起こしたがダメだった、ということをしっかり説明しましょう。
そうすれば、前職を辞めた理由=転職先を希望した明確な理由、となるため、印象が良くなります。
金銭的な不安があるときは制度を利用する
金銭的な不安があり、薬剤師からの転職や休職に踏み切れない人は、各種制度を利用しましょう。薬剤師の多くは学生時代に奨学金を借りており、働きながら返済しなければなりません。
しかし、傷病手当金や奨学金の減額返還・返還期限猶予制度などを利用すれば、金銭的な負担が軽減され、転職活動を不安なく行えたり、休職中に落ち着いて休んだりできます。
傷病手当金
傷病手当金とは、病気やけがで休職しているときに、被保険者とその家族の生活を保障するために支給される手当のことです。
月給の3分の2程度の額が、病気やけがで連続して休み始めて4日目から、通算して1年6ヶ月間支給されます。
詳しくは協会けんぽや各健康保険組合で確認してみてください。
奨学金の減額返還制度や返還期限猶予制度
奨学金を借りる学生の多くが利用している日本学生支援機構では、条件を満たせば、減額返還制度や返還期限猶予制度を利用できます。
減額返還制度とは、月々の返還額を2分の1、もしくは3分の1に減らし、返還期限を延ばす制度です。返還期限猶予制度とは、一定期間返還を先送りできる制度です。いずれも利息を含む返還予定総額は、制度を利用しないときと変わりません。
制度を利用できる期間や年収の上限などの詳細は、上記の日本学生支援機構のホームページで確認してみてください。
薬剤師が転職活動で失敗しないためのポイント
薬剤師が転職活動で失敗しないためには、男女ともにキャリアプランをしっかり立ててから転職先を選ぶことが大切です。女性に関しては妊娠・出産の可能性もあるため、ライフプランもある程度立て、それを基に働きやすい職場を選ぶのがおすすめです。
転職活動では薬剤師専門の転職エージェントを利用すると、薬剤師業界に精通しているキャリアアドバイザーに、転職活動全般をサポートしてもらえます。
実際に転職先を選ぶときは、希望する条件に優先順位をつけたり、職場見学に行ったりすると、転職後のミスマッチを防げる可能性が高くなります。
いざ退職するとなった際に、今の職場から強引な引き止めにあった場合は、退職代行の利用も視野に入れましょう。
男女ともにキャリアプラン、女性はライフプランも基に転職先を選ぶ
男女とも、薬剤師としてこういうキャリアを歩みたいというキャリアプランを基に転職先を選びましょう。
特に女性はライフプランも明確にしてから転職先を選ぶことをおすすめします。その理由は、女性は妊娠・出産で働き方に変化を求められることもあり、最初から女性が働きやすい転職先を選んでおくと後々ラクだからです。女性がキャリアプランのみで転職先を選ぶと、子育てしながら働きにくい職場だった場合に、転職を繰り返してしまう恐れがあります。昨今は男性の育児参加も進んできていますが、妊娠・出産できるのは女性だけです。そのため、産休・育休が取りやすい職場を選ぶことをおすすめします。
このように、こういう仕事がしたいというキャリアプラン、子どもの予定といったライフプランをできる範囲で明確にし、それを基に転職先を選ぶようにしましょう。
薬剤師専門の転職エージェントを利用する
転職活動をする際は、薬剤師業界の動向に詳しい、薬剤師専門の転職エージェントを利用するのがおすすめです。
薬剤師の転職に精通したキャリアアドバイザーが、幅広い選択肢のなかから、あなたに合った転職先を紹介してくれます。「自分は転職する必要があるのか」など、転職するかどうか判断に迷っている場合は、相談だけでも利用可能です。
このように転職する人はもちろん、迷っている人にも役立つ情報を提供してくれるため、登録だけでもしてみることをおすすめします。
希望条件の優先順位を明確にする
転職先に希望する条件を洗い出し、優先順位をつけることも重要です。優先順位を明確にしておけば、迷ったときに的確な選択ができ、ミスマッチを防げるからです。
たとえば、
- 月の残業時間
- 年収
- 教育体制
- 通勤時間
といった具合でつけていきます。今の職場を辞めたいと思っている理由を基に、優先順位をつけていくのがおすすめです。
職場見学をする
優先順位を明確にし、転職先の候補が絞れたら職場見学をしてみましょう。実際に見てみなければわからないことがたくさんあります。
たとえば、薬剤師たちの人柄や年齢層、薬局内の雰囲気や患者への対応、1日の処方箋枚数やレセコンの機種などを確認しましょう。ポイントは、自分が働く予定の時間帯に見学することです。
このように労働環境や雰囲気を確認しておくことで、転職後のミスマッチを防げます。
強引に引き止められたら退職代行を利用する
退職の意思を伝えて強引に引き止められたときには、退職代行を利用するのも1つの手です。薬剤師は人手不足だということもあり、引き止めにあうことも少なくありませんが、1番大切なのはあなたの心と体です。
「そんなんじゃどこに行ってもやっていけない」「人手不足だから辞められたら困る」などと、強引に引き止める職場もありますが、人手不足は労働者側の責任ではありません。
こうした職場をどうしても辞めさせてもらえない場合は、退職代行の利用も視野に入れましょう。
当組合が運営している退職代行ニチローは、職場への退職連絡や退職日の調整、有給消化の交渉や各種退職手続きなども代行いたします。ご相談は電話やLINE、お問い合わせフォームから、24時間年中無休で受け付けております。ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
この記事では、薬剤師を辞めたくなる理由や職場別の悩み、その対処法や転職・休職する目安などを紹介しました。
薬剤師は人手不足で需要が多く、薬剤師自体を辞めてしまうことはもったいないため、あまりおすすめできません。そのため、できれば薬剤師のまま、今あなたが抱えている悩みを解決できる職場に転職するのがおすすめです。上述した、薬剤師が転職活動で失敗しないためのポイントなどを参考に、あなたに合う職場を見つけてみてください。